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Friday, 01 November 2019

新作と旧作

昨日のエントリで、歌舞伎の新作をくさすやうなことを書いた。
「新たな試みをしなければ客は入らない」とも書いてはあるけれど、旧作支持の意見だ。

旧作を支持してゐるけれど、新作がなければこのまま歌舞伎は滅びるばかりだらう。
ゆゑに、新作も見に行く。
「阿弖流為」と「ワンピース」とは新橋演舞場でも見たし、大阪松竹座でも見た。
見る必要があると思つたし、見たいと思つたからだ。

でも、歌舞伎NEXTやスーパー歌舞伎およびスーパー歌舞伎IIを歌舞伎だとはあまり思つてゐない。
どちらかといふと、歌舞伎つぽい何かだと思つてゐる。

でも見る。
歌舞伎かどうかはどうでもよくて、おもしろければいいぢやない。
「阿弖流為」も「ワンピース」も、エンターテインメントとしてこんなにおもしろいものはさうざらにはない。

かういふ、歌舞伎かどうかわからないけれど、エンターテインメントとして優れた新作が増えれば、そのうちそれが歌舞伎といふことになつて後の世に伝へられるのぢやあるまいか。
現在自分が好きだと思つて見てゐるいはゆる古典の演目ももとはさうしたものであつたらう。

昨今の新作は、手の込んだものが多く、再演がむつかしさうなのが唯一の気がかりか。
それも技術の進歩などで解決することもあるのかもしれない。

新作をよしとする心と、旧作の方が好きといふ心とはまた違ふのだつた。
新作をよしとするのは理性、旧作が好きといふのは感情、かな。

感情がかつのは、仕方のないことだと思つてゐる。

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