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Friday, 08 November 2019

ボヘミアン・ラプソディ発高砂屋経由山村聰行

去年の11/9、映画「ボヘミアン・ラプソディ」が封切られた。
当初、見に行くつもりはなかつた、とは以前書いたとほりだ。
そんなわけで、「ボヘミアン・ラプソディ」には封切りの日ではなく、翌日に行つた。

その日は昼間に国立劇場に行く予定があつた。
「名高大岡越前裁」を見に行つた。
記録を見ると、かなり気に入つたやうである。
なにしろ、中村梅玉の大岡越前がよかつた。
裃が似合ふんだよねえ、高砂屋。
配下のものにもものすごく尊敬されて愛されててさ。
「あー、わかるわー」とか思つてしまつた。

配下のものには坂東秀調、市川男女蔵、坂東彦三郎がゐて、市井のものに化けなきやいけないといふのでそれぞれ「すし屋」の権太、六段目の勘平、「菅原伝授手習鑑」の梅王丸・桜丸・松王丸をチャリ場で演じるといふ場面があつて、おもしろかつたりね。

山内伊賀亮の坂東彌十郎もよかつたんだよねえ。
彌十郎はややもするとせりふがちよつと弱いところがある。
口跡はいいし、声もとどくのだが、いまひとつ真に迫るところに欠けることがある。
それが伊賀亮はよかつたんだよなあ。

伊賀亮といふと、山村聰のイメージだ。
むかし、再放送で見た「大岡越前」で演じてゐたのだ。
大詰の捕物で、この番組にしてはめづらしく加藤剛演じる大岡越前が刀を手にしたりして(記憶違ひかもしれないが)、ものすごくもりあがつた回だつた。
ここの山村聰がよくてねえ。

山村聰といへば、「悪のインテリをぢさま」で、山形勲より出会ひがはやかつた。
佐藤慶の柳生烈堂といふのもゐるのだが、柳生烈堂は悪役ぢやないか。それに、萬屋錦之介の拝一刀もだいぶ悪役に見えたしな、こどものころは。

なんだらうね、山村聰のあのよさ。
につこり笑つた笑顔なんかはとてもいいのだが、悪なんだよ。
ものすごい悪なんだよ。
ステキだつたなー。

と、「ボヘミアン・ラプソディ」のことを考へてゐたはずなのにいつのまにか山村聰で頭がいつぱいなのは通常運行なのだつた。

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