ブレッチリー・パークへゆく
8/22(木)、ブレッチリー・パークに行つた。
Bletchley Park は第二次世界大戦で主に枢軸国の通信を傍受し暗号解読をもつぱらにした場所、といつたところか。
サイモン・シンの「暗号解読」でもとりあつかはれてゐるし、近年では映画「イミテーション・ゲーム」で舞台になつたところでもある。
ドイツの暗号エニグマを解読するために作られたBOMBEの複製があり、近所にはColossusの複製もあるといふので見に行くことにした。
実際に行つてみると、いろんな楽しみ方があることがわかつた。
1. 暗号解読にまつはる展示
2. ヴィクトリア朝期のマンションの外観と内装とその庭
3. 第二次世界大戦当時のやうすの再現
4. 第二次世界大戦での伝書鳩の活躍
5. その時々の特別展示
ここでは1と2とについて語る。
1. 暗号解読にまつはる展示
敵の通信の傍受にはじまつて、暗号を解読し、解読したものを翻訳してしかるべき筋に渡すといふのが Bletchley Park の仕事の流れだ。
当時の通信機や、翻訳するためドイツ語や日本語習得に使つたカードや辞書なども展示されてゐる。
一番の見ものはやはりエニグマの実機やBOMBEの複製だらうか。
BOMBEの複製、実際に動くしね。
BOMBEとアラン・チューリングについてはHut 11a、11に展示されてゐる。
ほかの展示にくらべて扱ひが大きいんぢやあるまいか。
当時の電話の受話器を取ると、チューリングの同僚によるチューリング評が聞けたりもする。録音したのは俳優だといふけれど。
さうさう、ブレッチリー・パークではそこかしこで働いた人々のことばが再生されてゐて、本人の語つたものも多い。
Bombeの運用・オペレーションを任されてゐたWrens(ミソサザイ)と呼ばれた英国海軍婦人部隊(WRNS)の人々の証言は本人のものが多く、映像つきのものもあつた。
また、Hutによつてはエニグマの仕組みやかんたんな暗号解読、暗号解読に必要な能力を見極めるためのかんたんなテストのできるインタラクティヴなタッチスクリーンの展示もあつて、こどもたちがこぞつてやつてゐた。
もちろんやつがれもやつた。
2. ヴィクトリア朝期のマンションの外観と内装とその庭
実はこれが想定外に楽しかつた。
ヴィクトリア朝のころ建てられたマンションがあつて、ここに当時の図書室や執務室が再現されてゐる。
二階には上がれないが、一階部分は結構あちこち中を見て回ることができるし、外から窓越しに中を覗いて見るのもまた楽しい。
ブレッチリー・パークは元は荘園だつたところだといふ。
ここで暗号解読をしてゐるなんてばれてはいけないから、一見まつたくそんなやうすはないやうになつてゐる。
庭には大きな池(地図にはlakeとあるが池だらう)があつて、その周囲の景観もさることながら、芝生の上にベンチやゆつたり座れるいすがあちこちに配してあつて、のんびり休むことができる。
天候が許せば、だけれどもね。
ブレッチリー・パークは敷地も広く、Hut(小屋)が点在してゐて全部見て回るには相当時間がかかる。
Google Mapで検索すると、来場者は平均で4時間くらゐは滞在してゐるやうだ。
疲れたら庭のベンチでのんびり池など眺めたりできるといふのが実によかつたんだなあ。
都会の喧噪を離れてのほほん、みたようなさ。
Colossus の複製は五分ほど歩いたところにある博物館にあるといふ。
見に行くつもりでゐたけれど、疲れてしまつて断念した。
Bletchley Park にはまた行きたいと思つてゐるので、その時にでも。
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