あみものの向かない気候
去年のいまごろは暑さのあまり頭がをかしくなつたのか、毛100%の毛糸でヨガソックスを編み始めてゐたやうだ。
今年は暑さのあまりなにもできずにゐる。
ここのところ書いてきたイガ問題もある。
どこに虫がひそんでゐるのかわからない状態で毛糸を取り出すのは怖い。
取り出したがゆゑに虫害がひろがるかもしれないし。
日本であみものがはじまらなかつたのは、気候的な問題もあるのかな。
羊やそれに代はる毛糸の作れさうな動物がゐなかつたといふこともあるのかもしれないけれど。
でも絹や麻はあつたんだからさー、と思はないでもない。
ただ編み地はちよつと厚くなるからね。
通常の織り地よりは格段に厚い。
夏ものといふことで、海外のあみものの本などを見てゐると極細モヘアの毛糸で編んだショールなどが出てくる。
ないわー。
絶対ない。
モヘアでせう?
汗でくつつくぢゃん。
しかし、欧州の、特に緯度の高いあたりでは、夏といへども日が陰つてくると途端に肌寒くなつてきて、モヘアのショールの一枚も羽織りたくなるのらしい。
「のらしい」ぢやないか。
九月ではあるが、ストックホルムやウメオ、ヘルシンキに行つた感じだと、確かに日が落ちるとぐつと冷えてくる。
日中は暑くて半袖で過ごしてゐても、夕方になると薄手のダウンのジャケットを着ても寒いくらゐだつた。
これだつたら毛糸であみものするわなあ。
以前、気温が摂氏四十℃でも毛糸で編んだくつ下を履いてゐる、といつてゐる人がゐた。
アメリカに住んでゐる人だつた。
アメリカのどこだかはわからないけれど、おそらく乾燥した土地の人だつたんぢやないかなあ。
日本で、しかもヒートアイランドだ地球温暖化だといつてゐる世の中で、あみものをするのは無謀なのかもしれない。
何年も前からさういふ不安を抱いてゐる。
不安の影は毎年大きくなつてゆく。
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