気持ちのゆるみが編みに出る
先週は平日も全然編めてゐない。
土曜日、出かける前にちよつと編んだくらゐだ。
なぜ編めないのかとここでもさんざん書いてきた。
好きな人はちよつとした時間でも編むといふ。
群よう子のあみものの本には、玄関先で三分でも編むといふ人が登場する。
わかる。編みたいときといふのはさういふものだ。
そして、おそらくあみものが好きな人といふのはいつでもさういふ状況なのだらう。
出先でちよつと待ち時間ができてしまつた。
編みたい。
ファミリーレストランで頼んだ料理がなかなかでてこない。
編みたい。
電車が止まつてしまつた。
編みたい。
かつてはさういふこともあつた。
たまたま定期券の切り替へが学生の多い時期とあたつてしまひ、みどりの窓口に延々と並んだことがある。
当時ははじめて北欧に行つたときに買つてきた毛糸を編んでゐていつも持ち歩いてゐた。
みどりの窓口で待つてゐるあひだに編んだ。
引き返し編みでくるくる旋回するマフラーを編んでゐた。
くるくる回るから編んでも編んでもそれほど長くはならない。
ずいぶん編めたものだつた。
以前も書いたやうに、アンカーのレース糸で鍋敷きを編んでゐるとき、たまたま赤坂駅で待ち合はせをすることがあり、相手がちよつと遅れてきたのでせつせと編んでゐたことがある。
色を三色使つてゐて持ち出すのもちよつとなと思ふくらゐかさばつたが、気にせずに編んだ。
今回のかぎ針編みのヴェストもそんな感じだつたんだけどなあ。
編めてゐた。
毎日帰宅後編んでゐた。
それが編めなくなつたのは、あと少しで終はるといふことと、やはり先週はちよつと忙しかつたのだらう。
ではあらためて今週は編むぞ、と思つてゐた矢先に蛍光灯が切れてしまつた。
夕べのことだから、交換もできてゐない。
かぎ針編みのヴェストの明日はどつちだ。
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