6月の読書メーター
6月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2390
ナイス数:45
暗号解読(上) (新潮文庫)の感想
どんなに最強と思われる暗号を作り出しても運用する人間のちょっとした行動の積み重ねで破られてしまう。国や軍、家族に恨みを抱く人間の裏切り(裏切る方から見たら裏切りでもなんでもない、裏切られたのは自分の方なんだろうが)のことなんて、裏切られる方は想像することさえないんだろう。
読了日:06月06日 著者:サイモン シン
暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)の感想
考古学的なヒエログリフや線文字Bの解読、公開鍵暗号のくだりには広い意味での集合知のようなものを感じる。付録の「暗号に挑戦」もとても興味深い。古代中国の暗号とかないのかなぁ。
読了日:06月16日 著者:サイモン シン
資治通鑑 (ちくま学芸文庫)の感想
ところどころ解説には納得行かないところがあるし、抜粋というのがもの足りなくはあるものの、読めることが嬉しい。人間は一様ではない。「史記」よりも痛切にそれをかんじる。もっと若いうちに読めればよかったなと思う。
読了日:06月18日 著者:司馬 光
暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)の感想
こういうことを考えたかったんだなあ。前書きに出てきたおじさんと女学生とは「暇と退屈」をもてあましているというよりは他人に認められたかったんじゃないかと思うけれど、それも「暇と退屈」をまぎらす方法の一つではあるのだろうか。あとがきに出てきた大学生の例も面白い。パーティに退屈するというのがわからない学生とわかる学生とか。「暇と退屈」について自分なりに考えてみたい。
読了日:06月24日 著者:國分 功一郎
Ottoman Odyssey: Travels through a Lost Empire: Shortlisted for the Stanford Dolman Travel Book of the Year Award (English Edition)の感想
オスマン・トルコだった国々をジャーナリストの著書が訪れる。アルメニアにあるトルコによる大虐殺を伝える博物館を訪れて、著者はショックを受ける。トルコで聞いていた話とはまるで違うからだ。トルコでは大したことのないこととして伝えられているという。著者の母はトルコ人で、著者は子供の頃母方の祖母とキプロス島で過ごしていたことがあるという。祖母はキプロス島にいるギリシャ人と仲良くしていて教会に行く相手に自分の無事も祈ってくれと頼み、自分がモスクに行く時は相手の分も祈ったという。でも何かで喧嘩するとひどく罵ったとも。
読了日:06月26日 著者:Alev Scott
読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術の感想
最後のオチがいいんだよ、と云われて本屋で確認した。なるほどと思ったが、買って読んでみた。大阪出身で早大卒、電通の社員になれるような人ならね、と思ってしまう部分がある。「自分の内面を語る」人の文章はつまらないという。これはあちらこちらで云われていること。でも書きたいと思う人の書きたいことって、自分の内面なのではないだろうか。そして、おそらく書いていて面白いと思うのも自分の内面についてだろう。さらには多分読んでも面白い。そういう文章は他人には読まれないということなんだろうな。
読了日:06月30日 著者:田中 泰延
読書メーター
« 気持ちのゆるみが編みに出る | Main | 商売・売買 »
Comments