淘汰されるべきCD人間の怪
先月、「アナと世界の終わり」といふ映画を見た。
ゾンビとミュージカルとの組み合はせといふのに心惹かれたといふわけではなく、予告篇を見てエラ・ハント演じる主役とサラ・スワイヤー演じる登場人物に心惹かれたからだ。
何度か書いてゐるやうに、怖いものは苦手だ。
ゾンビ映画もいままでひとつも見たことはない。
「アナと世界の終わり」にはゾンビ映画からの引用が各所にあるらしい。
見てないからわかんないんだよなー。
ちよつと悔しい。
見に行つて、もうゾンビはいいやと思つたけれど、でも映画自体はおもしろかつた。
ゾンビが出てないんだつたらもう一度見たい。
ゾンビ映画だからおもしろいんだろうとも思ふけれどもね。
おそらくゾンビ映画の文法で作られた映画だものね。
ゾンビ映画のお約束といふものがあつて成り立つてゐる映画だと思ふ。
そこに唐突に(でない場合もあるけれど)歌や踊りが入る。
歌がまたよくてね。
それで、「サウンドトラックを買はう!」と思ひたつたはいいが、今日日CDといふものはないのだつた。
Web検索をかけても出てくるのはダウンロードの案内ばかり。
HMVかタワーレコードにでも行けばありさうな気がしないでもないが、空振りしさうな予感もある。
iTunesを使つてゐると、一度は音楽をダウンロードして買つてみることもあるだらう。
ご多分にもれずやつがれも何度か買つたことがある。
CDまるごとはちよつとなー、といふ場合でも気に入つてゐる曲だけ買ふこともできるし、なにしろCDといふものが増えないし、いいな、と思つたものだつた。
そのはずが、気がつくと、またCDを買つてゐる。
最近だと持つてゐなかつたクイーンのCDは実店舗に行つて買つてきたものが多い。
実店舗でなくてもネット通販でCDを買つてゐる。
MP3などを買つてダウンロードしたものはひとつもない。
なぜだらうか。
ものが増えなくていいと思つてゐたはずなのに。
ひとつには、もともとCDで持つてゐたものが何枚かあつたから、といふことがあるだらう。
それでなにも考へずにCDを買つてしまつた。
また、CDにはライナーノートがついてくる。
そんなに熱心に読むわけではないが、といふのはライナーノートには「ライナーノート文体」とでもいふべき書き方があつてこれがそんなに好きなわけではないからだが、でもまあ、ダウンロードしてきてもついてはこない。
LPレコードのころと比べたら多少迫力は失せたものの、ジャケットもある。
MP3ダウンロードでもジャケットの画像を入手できることはあるが、CDでいふ表だけで裏もといふことはあまりない。
あとは、まあ、やはり時代に乗り遅れてゐるからだらうな。
淘汰されるべき人間、といふわけだ。
そんなわけで「アナと世界の終わり」のサウンドトラックはどうしやうかなあと思つてゐる。
ダウンロードするかな。
いい歌が多いんですよ。
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