タティングレースをはじめたきつかけ
あみものをしたいと思つた理由は思ひ出せないが、タティングレースをしてみやうと思つたきつかけは覚えてゐる。
リカちやんやジェニーの服を編むことに夢中だつたころのことだ。
手芸店のレース編みのコーナーに行くと、出版されたばかりの藤重すみの「かわいいタッチングレース」が並んでゐた。
おそらく当時ちよつとばかり改訂されたクロバーの鼈甲風シャトルも目立つところに陳列されてゐた。
人形の服にレースをつけたい。
でも自分で編むと人形用にはごついものができてしまふ。
なにかいいものはないだらうか。
といふわけで、「かわいいタッチングレース」とタティングシャトル(当時風に云ふと「タッチングシャトル」)とを求めたのだつた。
店頭で本を見て、「これでは自分がほしいと思つてゐる人形用のレースは作れないかもしれない」と思つてはゐた。
理想のレースはもつと目のつんだものだ。
タティングレースは空間が大きい。
スカートの裾は飾れても着るものにはならない。
なつてもなにかしら下に着せる必要がある。
わかつてゐて、手を出した。
とにかく苦労したし、それなりにタティングができるやうになるには次の本である藤戸禎子の「華麗なるレース タッチングレース」を入手してからのことなのだが、こんなきつかけにしてははまつたねえ、タティングレースに。
細々といまでもつづけてゐるのだからよほど気に入つたのだらう。
なにがきつかけになるのか、わからないとはほんとのことだなあ。
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