とじはぎ考
「美しいかぎ針編み 春夏27」に掲載されてゐるかぎ針編みのヴェストをちまちま編んでゐる。
全体をネット編みで編むもので三目のネット編みと五目のネット編みとの密度の差と、その切り替への部分がおもしろい作品だ。
後ろ身頃のヨーク部分から編み始めて、そのあと脇と前身頃をつけ足して裾まで編んでいく、といふとわかるだらうか。
現在、まだヨーク部分を編んでゐる。もう少し編んだら脇と前身頃をつけ足せるんぢやないかな。
問題は、付け足したらどんどん編み地が重たくなつていくといふことだ。
セーターなどを編むとき、後ろ身頃と前身頃と袖とを分けて編むのには意味があると思つてゐる。
編むときに編み地が重たくならないやうな工夫だ。
セーターを輪に編むと、編み進むにつれどうしても自重で編み地がのびてくる。
無論、そのころには編み地を膝の上におけるやうになつてゐるだらうから実際にはそれほどのびない。
それでも手や肩にかかる重さが気にかかるやうになる。
後ろ身頃・前身頃と分けて編めば、重さは若干軽減される。
あるいは仕事としてあみものをしてゐる場合、分業制なんてなこともあつたのかもしれない。
一人が後ろ身頃と肩袖、一人が前身頃ともう一方の袖を編む。
手が違ふから大きさが揃はないなんてなこともあるかもしれないけれど、熟練工が編めばさうでもないのかもしれない。
Elizabeth Zimmermann がお嬢さんと二人で向かひあつて一つのものを編んでゐる、なんてな写真がどこかにあつたやうにも思ふし。
しかし、さうやつてセーターをパーツに分けて編むととじ合はせなければならない。
これが苦手でなー。
それで勢ひとじはぎのない全体を一度に編む方法に走つてしまふわけだ。
今回のヴェストもそんな感じである。
もちろん、編んでみたいと思つたのが先だけど、でもその編んでみたいと思つた理由がとじはぎが少なさうだからなのではないか、といふ気もしてゐる。
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