アイドルはタティング
タティングをしに出勤してゐる。
仕事としてタティングをしてゐるわけではない。
昼休みのあいた時間にせつせとタティングシャトルを使つてゐるだけだ。
家ではあみものをしてゐる。
さうやつて、あれもこれもなんとかやらうとしてゐる。
客先で働いてゐたときにお客さまでおもしろいことを云ふ人があつた。
社内に自分の「アイドル」を作つておく、といふのだ。
いまどきのことばにすると「推し」かもしれない。
「アイドル」または「推し」に会ふために出勤する。
職場に行けば「アイドル」に会へる。
さう思ふと、心憂く出勤もまた楽しくなる。
さう云ふのだつた。
なるほどなあ。
なにか楽しいことがあれば、ちよつと行きたくないくらゐの職場なら少しは心軽く出勤できるかもしれない。
といふわけで、タティングである。
実を云ふと、タティングは家でもできないことはない。
道具はあるし糸もある。
職場よりも環境はととのつてゐる。
実際、二週間前にもやつてゐた。あみものはちよつとサボつて。
といふのは、あみものはちよつと煮詰まりつつあるからなんだな。
アイリッシュ・クロシェの薔薇をいくつもいくつも編んでゐるけれど、いつたいいくつ編めば終はるのか、自分でも定かではない。
とりあへず、薔薇を飾る帽子の方を先に整形した方がいいかもしれない。
だからこそ、あみものをする必要がある。
タティングは職場で。
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