世の中わからぬことばかり
世の中はわからないことだらけだ。
すこしでもわかりたいと思つて本など読んでみると、ますますわからなくなる。
まづはブルーバックスなどを手に取つてみるのだが、なににつけ量子論が出てくる。
お手上げだ。
1kgの基準や時間や宇宙について知りたかつたはずなのに、量子論でつまづく。
もう世の中のことはわからないままなんだな。
量子論が出てこないやうなことでもわからないことは多い。
とくにわからないと思ふのが経済だ。
「経済と経済学とは違ふ」などといはれるとますますわからない。
授業で習つた経済学は、しごく単純だつた。
リンゴとバナナとがあつたとする。
リンゴが一つ100円でバナナが一本50円ならバナナの方が売れる、といふ。
人間は必ず合理的に行動する。
需要と供給とはバランスがとれてしかるべきもの。
それが経済学だつた。
でも、世の中さうはなつてゐない。
やつがれはリンゴは好きだがバナナは嫌ひだ。
たとへリンゴがバナナの倍の額であつてもリンゴを選ぶ。
授業では、「きみの考へは聞いてゐない」と云はれた。
事実なのにな。
そこでつまづいてしまつて、結局経済学はわからぬままにここまできてしまつた。
実際のところ、人間は必ずしも合理的に行動するものではなく、非合理な行動もかなりとる、といふことで行動経済学なんてな学問もある。
この世は経済学の理論のとほりには動いてゐないんぢやあるまいか。
よくわかんないけどさ。
需要と供給とはほんとにバランスがとれてゐるんだらうか。
独占を禁じながら段々寡占になつていくのはなぜか。
エントロピーは増大するものなんぢやないの?
謎は尽きない。
よくわからないくせに「もう資本主義とか云つてる場合ぢやないんぢやないの?」とも思ふ。
その肝心の「資本主義」もよくわからない。
以前、「なにかを知りたいと思つたら、まづ専門書を読む。それから入門書を読むと、「ああ、あれはこういふことだつたのか」と思ふことが多いし、理解も進む」といふ話を聞いたことがある。
経済学についても入門書ではなくていきなり専門書とかを読んで、しかる後に入門書を読んだらすこしはわかるやうにはなるだらうか。
でもそれにはなにを読めばいいんだらう。
「国富論」までさかのぼつてみるべき?
わからないといふことは、どこから手を着けたものやらわからない、といふことでもあるんだなあ。
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