Swatch考
ゲージを取るために swatch を編んでゐる。
あまりゲージを問はないものを編むことが多い。
そもそもゲージとはそれほど精確なものではない。
編んでゐるうちに手は変はつていくし、さうでなくても長いものを編んでゐると自重で編み地が伸びるのを止めることはむつかしい。
ゲージを取るときに気をつけることは、リラックスして編むことだといふ。
ゲージを取つて、いざ編み始めると次第に編むことに慣れていつてゲージが変はるからといふのが理由だ。
ゲージを編んだときの swatch を取つておくことも重要らしい。
時々編んでゐるものと swatch とを比べて、ちやんと swatch 通り編めてゐるか確認するためだ。
さうなのか。
世の中の人はさうやつて編んでゐるのか。
ゲージは取るけど見比べながら編んだことはないなあ。
だいたい最初に編んだ swatch を信じてしまふ。
Swatch を編まうと考へるからいけないのかもしれない。
Elizabeth Zimmermann は、セーターを輪に編む場合、swatch として帽子を編むといいと書いてゐる。
なるほど、帽子ならそのままかぶるだらうし、swatch を編むといふ緊張感からは解放されるのかもしれない。
平たく編むならマフラーといつたところだらうが、それだとマフラーを編んだだけで満足してしまひさうだな。
一度だけセーターを輪で編んだことがある。
たた&たた夫さんのところのリブ編みのセーターを、黒い糸で編んであとで綴じ合はせるのでは目がつらいと思つて、輪に編むことにした。
このときは帽子は編まなかつた。
二目ゴム編みだから、平たく編んでも輪で編んでもそれほどゲージは変はるまいと思つたからだ。
平たく編むときと輪に編むときとの違ひはなにかといふと、表と裏とで編む目が変はるか否かといふことだらう。
平たく編む場合、メリヤス編みなら表を編む時はメリヤス編み、裏を編むときは裏メリヤス編みを編む。
輪に編む場合はずつとメリヤス編みだ。
とくに左手に糸をかけて編む人は、メリヤス編みと裏メリヤス編みとで微妙に違ひが出てくる。
これがゲージに影響する。
でもゴム編みならね。
一列一列の目に違ひは出るだらうけど、全体で考へたらおなじになるんぢやあるまいか。
いづれにしても、リブ編みなんだから多少誤差が出たところで問題ない。
ああ、やつぱりゲージのあまり関係ないものばかり編んでゐるなあ。
今回はヴェストになるはずで、それもそれなりにきちんとサイズ合はせをする必要がある。
ゲージは必要だ。
そんなわけで swatch を編んでゐるのだけれども、どう見ても段々手がきつくなつてきてゐる。
これはもうかうなるものと考へて計算しながら編むしかないか。
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