Morning Pages と朝の手習ひ
morning pages といふのは、Julia Cameron の The Artisit's Way といふ本に紹介されてゐる、創造力を高めるための手法のひとつだ。
朝起きて即、A4の紙三ページになにごとか手で書き付ける。
しかるに morning pages といふ。
誰にも見られてはいけないし、自分自身でも読み返してはいけない。八週間たつたら読み返してもいいけれど、それまでは絶対ダメ。
書くことはなんでもいい。書くことがなければ「なにも書くことがない」と延々三ページ書いてもいい。
朝起きて即といふところと、誰にも見られてはならないといふことで、本音を書くことができる、いはゆる brain dump になる、といふ。
創作の助けになるといふのは、つまり文章を書く類の創作以外にも有効だといふことだ。
絵描きでも作曲でも演奏でも、なんでもいい。
多分、あみものやタティングレースにも効くことだらう。
残念ながらやつがれは、朝起きて即書いてはゐない。
三ページ書いてはゐるけれども、Moleskine のポケットサイズに三ページにしてゐる。
でも少なくとも午前中のうちに三ページ、なにがしか書き付けてゐる。
見返してもゐないし、もちろん人には見せてゐない。見せても読めないんぢやないかな、ものすごい勢ひで書いてゐるから字が滅茶苦茶なのだ。
創作の助けになつてゐるかどうかはともかく、これつて、本邦には古くからある習慣に似てゐるよな、と思ふ。
新井白石は幼いころ毎日昼のうちに三千字、夜は一千字の手習ひをしてゐたといふ。
冬は日が短いので、昼の三千字は朝早くから起きて書いたとのことだ。
手習ひに限らず、そろばんの練習なども朝早くからするといふ話も聞くし、部活動にはいはゆる朝練といふものがあるし、なにかしら朝早くから起きて修練に励むといふことが昔からある。
ヨーロッパなどでも教会での早朝のつとめといふのがあるのではないかと思ふから、さういふの、あるのかな。
朝早く起きて手習ひの練習、とか。
morning pages はそれに近い。
朝起きてすぐの頭がぼーつとした状態のところで集中して三ページなにごとか書き付ける。
ちよつとした瞑想のやうなものなんぢやないかなあ。
いまのところ、morning pages の成果が出てゐない気がするのでなんともいへないけれど、さう思ふともうちよつとつづけてみやうかなといふ気になる。
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