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Wednesday, 17 April 2019

やる気のない「ファシリテータ」

ファシリテータといひ、ファシリテーションといふ。
なにか、もつといい訳語はなかつたのだらうか。

個人的な理解では、以下の通りだ。
ファシリテータとは議事進行役で、打ち合はせなどの話し合ひの場を円滑に取り持つ役割の人を指す。
ファシリテーションとは議事を円滑に運ぶための技術だ。

とても大切なもののやうに思へる。
小学校の学級会に取り込んだらどうかとさへ思ふ。
小学生のうちからファシリテーションのなんたるかを身につけたら、とても役に立つのではあるまいか。

でも、世の中さうはならない。
その理由のひとつが、「ファシリテータ」といひ「ファシリテーション」といふ、この長たらしい名前だ。
これが漢字二つくらゐで音でも四つくらゐの単語に翻訳されてゐたらどうだらう。
もつと広まつたのぢやないか。
それこそ、小学校でも取り入れられるくらゐのものになつてゐただらうに、と残念でならない。

いつたい本邦に「ファシリテータ」なり「ファシリテーション」なりといふ概念を最初に持ち込んだのは誰なのだらう。
なぜもつと適切な日本語に訳して持ち込まなかつたのか。
せつかく持ち込んでおいて、ひどい話だ。
幕末から明治にかけて、economyを経済と訳し、philosophyを哲学と訳した、それがいいかどうかはともかくとして、人工に膾炙するやうなことばに訳した先人たちに、なぜ学ばなかつたのか。

もつといへば、なぜ「ファシリテータ」や「ファシリテーション」を適切な日本語に訳せるだけの日本語力のある人が持ち込めなかつたのか。
悔やんでも悔やみきれない。

訳せばいいといふ話でもないのがvulnerabilityの「脆弱性」だ。
やる気が感じられない。
ことの重大性を伝へきれてゐない。
それを考へると「ファシリテータ」「ファシリテーション」も仕方がないのだらうか。

やたらと打ち合はせだミーティングだで日が暮れていく、予定通りに打ち合はせを終はらせることのできない状況はこの先もつづくといふことだな。

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