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Friday, 08 February 2019

大河ドラマを見逃したら

今年は大河ドラマを見てゐる。

前半の主役を演じる中村勘九郎も後半の阿部サダヲもどちらも好きだ。
志ん生の配役がチト気に入らないけれど、若い頃は森山未來が演じてゐるし、しかもその師匠には松尾スズキが配されてゐる。

そんなわけで、これまでのところは見てゐる。
でもTVを見る習慣を失つて久しいので、最初の三分くらゐがいつも欠けてしまふ。
最初の三分くらゐは先週のあらすじだつたりすることもあるから、いいか。

ところがここに問題がもちあがつた。
日曜日のこの時間帯に家にゐないと「いだてん」は見られないのだ。
なにをあたりまへのことを、と思はれるかもしれないが、由々しき事態である。

録画機が壊れたままなのがいけない。
でも、この録画機には八代目松本幸四郎の鬼平とか丹波哲郎の鬼平とか萬屋錦之介の鬼平とかTVドラマ版の座頭市とか、salvageしたい番組がたくさん入つてゐる。
ダメもとで修理したい。
だが、修理をするといふことは、修理をしてくれる人を家に招くといふことだ。
つまり、その時間帯、家にゐなければならない。
ここのハードルが高くて、なあ。

大河ドラマといへば、連続ドラマだ。
かういふ作品の場合、途中一話くらゐは抜けても大丈夫といふ回を所々にもうけるものだ。

ディケンズの「二都物語」でいふと、"The Fellow of Delicacy"は読まなくても大勢には影響しない。
"The Fellow of No Delicacy"は読まないと話が通じなくなるけれど、「No」のない方はまあ、読まなくても大丈夫。

「三銃士」でいふと、「銃士の内訳」かな。
この章も読まなくても物語がわからなくなるといふことはない。
読めば、アトスは寡黙な酒飲みで、ポルトスは見栄坊の贅沢好きで、アラミスは秘密主義の色男といふことがわかる。
でもそれはこの章を読まずとも全体を読んでゐればおのづと知れることだ。
連載小説にはさういふ回があるものだ。

小説がさうなのだから、ドラマだつてさうあつてしかるべきだらう。
つまり、「いだてん」も一話くらゐ抜けたところでわからなくなるやうな作りにはなつてゐないはずだ。

問題は、見なかつた回が"The Fellow of Delicay"ではなく"The Fellow of No Delicacy"だつたらどうしやう、といふことだ。

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