My Photo
September 2024
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

« その日のうちに就寝 | Main | 最初から適正な量の毛糸を買はないと »

Friday, 11 January 2019

世の中ボーッと生きてたい

落語には「この人、ついでに生きてるんぢやないか」といふ人物があちこちに登場する。
もしかしたらいま落語がブームといふのも、この「ついでに生きてるんぢやないか」と思はれるやうな人物をご見物が求めてゐるんぢやないか、といふ気がしないでもない。

NHKに「チコちやんに叱られる」といふ番組がある。
いきなり番組の題名からして日本語的に間違つてゐるが、そこは問はない。
この番組では、普段あたり前のこととして過ごしてゐることどもを「なぜさうなのか」と出演者たちに問ひ、正しい答へがわからないとチコちやんが「ボーッと生きてんぢやねーよ!」とキレることになつてゐる。

ボーッと生きてゐたいんだがなあ、こつちは。
世の中ついでに生きてたいんだよ。
なんでよく知りもしない相手から「ボーッと生きてんぢやねーよ!」などとキレられなければならないのか。

といふ話をしたら、あれは出演者に対してキレてゐるのであつて、ご見物は自分のこととは思はないのではないか、といふ意見を頂戴した。
なるほど、視聴者はチコちやんの側に立つて見てゐるのか。
つまり、キレる側にゐるわけだ。
高みの見物といふわけね。

当今「ボーッと生きてゐる」と非難されてしまふわけだ。
ボーッと生きてゐたいのに。

さういや落語でも昨今は与太郎の演出にいろいろあつて、「この与太さんは単に空気を読まないだけで、さういふ国(オランダとかさ)に行つて生活したら普通に暮らせるんぢやないか」といふやうな与太さんとか、噺の中でだんだんヨタではなくなつていく与太さんとかがゐて、「ああ、今の世の中、与太さんでさへヨタのままでは生きていけないのだなあ」と思ふこともある。

落語の登場人物も世につれ変はつていくのは当然とは思ひつつ、与太さんにはヨタであつてほしいなあ。

« その日のうちに就寝 | Main | 最初から適正な量の毛糸を買はないと »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 世の中ボーッと生きてたい:

« その日のうちに就寝 | Main | 最初から適正な量の毛糸を買はないと »