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Thursday, 06 December 2018

メモ魔 Wanna-bee

メモ魔ではない。

まれに猛烈に「あれもこれも記録しておかなければ」といふ気持ちになつてあれやこれや書き付けるけれど、大抵の場合はなにごとにつけ「それは書き留めるには及ばないこと」「書かなくても大丈夫でせう」と思つてゐる。
ムラが激しい。

世の中にはメモ魔な人がゐて、うらやましいなあ、と思ふ。
始終メモ帳などを持ち歩いてなにかにつけ書きつけてゐる人とか。
最近だとスマートフォンに記録するのだらうか。たとへば音声入力とかで。
携帯電話やスマートフォンのおかげで写真や動画も撮りやすくなり、記録したい人にはますます記録しやすい状況になつてゐる。

メモをよく取る人の「書き付けなければ」といふ気持ちはどこからくるのだらう。
「しなければ」ぢやないのか。「書きたい」といふ動機か。

四年前、劇団☆新感線の「五右衛門vs轟天」といふ芝居を見て、「一演目一鑑賞」を掲げてゐるこのやつがれがはじめて三度も見に行くほど入れあげたことがあつた。
#二度見に行くことはときにある。

「見たことを忘れたくない!」とばかりに、覚えてゐることを片端からノートに書き付けはじめたのが、千秋楽から四日後のことだつたと思ふ。
当時、満寿屋のMONOKAKI B6を使つてゐて、残りが30ページくらゐあり、「これくらゐあれば余裕で書き終はるだらう」と思つて書き始めた。

終はらなかつた。

仕方がないのでおなじノートを買つてきて、続きを書いて、多分80ページくらゐ書いて終はつた。

斯様に書きたいときもある。

歌舞伎座ギャラリーの歌舞伎夜話なんかもさうかな。
聞いてきて、三、四日かけて覚えてゐることを全部書き出すときもある。
四日もたつとさすがにもう記憶が曖昧で、書くこともなくなつてくる。
それでだいたい一度にシステム手帳のバイブルサイズに10ページ前後かな、書くのは。

その場でメモを取ればいいとも思ふのだが、まあせつかく話を聞きにいくのに役者のやうすや表情を見ないのももつたいないと思つてしまふ。
今後歌舞伎夜話に行くことがあつたらその場でメモを取つてみるかなあ。

つねにかうならいいのだが、どうもさうはならない。
ずぼらなのだらう。
なまけものともいふ。

ほかに、「仕事のことを手帳に書くのは筆の汚れだ」と思つてゐたこともあるから、といふのもある。
お気に入りの手帳にお気に入りのペンで仕事のことを書くなんて、なんだか許せなかつたのだ。
それで勢ひ手帳に仕事のことを書かなくなる。
紙の手帳のことだけではない。
Apple Newton MessagePad を使つてゐたときもさうだ。
仕事の予定なんて入力するのはPDAの汚れ。
さう思つてゐた。
PDAについては、PalmPilotにはさうした気持ちを抱くことがなかつた。
PalmPilot自体がとても事務的なディヴァイスだつたからかもしれない。

いまも「仕事のことを書くのは筆の汚れ」と思つてゐる節があつて、せつかくの手帳に仕事のことを書き入れないこともある。
また最近では仕事のことを書いたノートなどは仕事が終はつた際に廃棄しろ、といふ話もあるので、とつておきたいノートには書かない方がいいといふこともある。

それにしても、なぜ自分はメモ魔にはなりたいのだらうか。
なんとなく、片手に手帳を構へてなにやら字を書く姿にあこがれがあるんだらうな。
実際そんなことをしたら自分の悪書ではとてもとても読めたものではないのだが。

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