やはらかな音で脚韻
ポリスに「見つめていたい (Every Breath You Take)」といふ歌がある。
ちよつとストーカー的な内容だし、ポリスにはほかに好きな歌がいくつかある。
でもこの歌の脚韻の「eik」「ei」「eis」などのやはらかさにつひつひ聞いてしまつたりする。
最初は take, make, break, takeで、次が day, say, play, stay かな。
実にやはらかい、いい音なのだつた。
ベートーヴェンの「Ich Liebe Dich」なども、脚韻の「agen」「(b)eide」を如何にやさしくやはらかく歌ふかにかけてゐた時期があつた。
とくに最後の「erhalt uns beide」の「beide」は夢見るやうな天上の音を出せたら(出ません)と思つてゐた。
どうやらやつがれの耳は「ei」とか「ai」とかいつた音を「やはらかい」「やさしい」ととらへるのらしい。
ところでビートルズに「Yesterday」といふ歌がある。
かう書くまでもないくらゐ有名な歌だ。
この歌の脚韻は「ei」と「i」の長音との二つしかない。
この「ei」は全然やさしくない。
多分、長いこと「なんでビートルズといつたら「Yesterday」なんだよ」と不満だつたのは、この点に尽きる。
ヴォーカルのポール・マッカートニーの発音がさうなのだらうか。
そんなことはないと思ふ。
「For No One」といふ歌の「breaks」「aches」といふ脚韻のなんとやさしいことよ。
「When I'm 64」の「Valentine」と「wine」、「side」と「ride」も悪くない。うーん、でも「say」と「away」はそれほどでもないか。
さういふ発音をするタイプなのかもしれないな。
スティングのやはらかい「eik」だとか「ei」だとかを聞いてゐると、かういふ甘い発音にだまされてストーカーに追はれるやうになつてしまふのかもしれないなー、などと思つたりする。
なんぞといふことを、最近 ヘヴィー・ローテーション中の「Queen II」の「Some day One day」を聞きながら考へてゐる。
この歌の「ei」もいやといふほど甘つたるいよ。
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