流行り廃り
あみものにも流行り廃りといふものがある。
ファッション業界にあはせてといふこともあるし、単にあみものが世間にひろまつてゐるやうに感じることとその人気が衰退してしまつたやうすとを感じることもある。
世間にひろまつてゐるなあと思ふのは、本屋の店頭にあみものの本がふんだんにある状態のときだ。
かぎ針編み・棒針編み・両方、こもの・着るもの・あみぐるみ。
初心者向けに基礎的な技法を説明した本や「三日でかんたん」といつた惹句の躍る本も出回る。
マニアックな本は、ブームのあとにくる。
あとでなくてもブーム終盤。
リヴァーシブルアフガンのやうなpatentに守られてゐたやうな編み方が別の名前を得て本になつて並ぶ。
何年か前なら「英語で編まう」といふ本もマニアックな本に入るだらうか。
自分の中でも流行り廃りはある。
一時、メビウス編みばかりしてゐたことがある。
くつ下ばかり編んでゐた時期もあつた。
あのころ、Socknitterの存在を知り、自分もさうなりたいと思つた。
かぎ針編みをすればかぎ針編みばかりしてしまふこともあるし、棒針編みもしかり。
そして行き着く先は、やはりちよつとばかりマニアックな方向だ。
メビウス編みでいへば、輪の片方をせばめもう片方を広げた形で、そこにFan and Feather模様を配して分散減目と分散蔵目をうまいこともぐりこませた。
くつ下はそれほどマニアックな方向にはいかなかつた気がするが、いま見ると「もうこんなの絶対編まないよな」と思ふやうなものもある。
そして興味を失ふ。
興味を失ふといふのは妙かもしれないが、なにか別なものもを編んでもいいかな、といふ気持ちになる。
ほんたうに極めたいと思つたら、道はその先にありさうな気がする。
その先、マニアックなものの先だ。
だがどうしてもその関を超えられない。
それでいつまでもかうしてゐるのだらう。
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