羽織の名は混沌
袖なし羽織はちよこちよこ進んでゐる。
と、今後しばらくはかういふことしか書けないんだらうなあ。
残り五玉編むうちの一玉がやうやく終はりさうな感じ、といつたところだ。
前立てと襟とにはI-codeを編みつけるつもりなので、もうちよつと糸が必要かな。
袖なし羽織はローワンのフェルテッドツイードで編んでゐる。
なにか編んで一玉ほどあまつたやうな糸ばかり集めてきて編んでゐるので、なにかと行き当たりばつたりだ。
中には三玉くらゐあまつてゐるものもあつて、これはなにか別のものにしやうといふのでとつてある。
袖なし羽織はひたすらガーター編みで、さうするといろいろ考へてしまふ。
三玉くらゐあまつてゐる毛糸同士でなにかできないかな、とか。
フェルテッドツイードは並太ていどの太さながら200m/50gの糸なので、一玉で結構編めるのがいい。
三玉ある紺色と合ふ紫とか深緑とかをあはせたらヴェストくらゐは編めさうだ。
さうすると試し編みがしたくなつてくるわけだが、そこはぐつとこらへて袖なし羽織を編んでゐる。
浮気をしたら戻つてこられない気がするからだ。
それに、ヴェストもガーター編みで編むつもりでゐるので、いづれにしてもひねもすになることは目に見えてゐるし、だつたらまづは袖なし羽織をしあげてから、とも思ふ。
袖なし羽織はヴェストではないけれども形は似たやうなものだし、作りあげたらヴェストの参考になるところが多々あると思ふからだ。
これまで、あみものはTV番組或はその録画を見ながら編むことが多かつた。
去年編んだカシミヤのストールを見ると「助け人走る」を見てゐたことを思ひ出す。
録画機が壊れてしまつて録画の見られないいまどうしてゐるかといふと、大抵は音楽を聞きながら編んでゐる。
音楽はなー、いろいろ聞くからなー。
土曜日は池袋で「贋作 桜の森の満開の下」を見てきて客入れのときにシャンソンを流してゐたからとつてもシャンソンを聞きたい気分だつたのだが、そのあと新宿で「ボヘミアン・ラプソディ」の応援上映を見てきたからQUEENも聞きたい気分になつてしまつた。
この千々に乱れる心よ。
結局土曜は両方から三曲づつくらゐ聞いてから寝た。
袖なし羽織は、さういふ混沌とした状況で編んでゐる。
できあがつたら「混沌」といふ名前になるかもしれない。
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