飯田市川本喜八郎人形美術館 人形アニメーションほか 2018後半
10月26、27日と飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
今回は平家物語の小さいケース二点と、人形アニメーション、ホワイエの展示について書く。
展示室の奥、「平家一門」のケースの前に、麻鳥と蓬子のゐるケースと赤鼻の伴卜のゐるケースとがある。
TVで人形劇を見てゐると、麻鳥はどことなく頼りない感じの人物に思へる。
最初のうち、崇徳院に仕へてゐたころはそんなやうすだつたからだ。
まだ若くて、あまり世慣れてゐないやうに見えた。
それが物語が進むにつれ、どんどん成長していく。
飯田にゐる麻鳥はその成長した姿だらうと思ふ。
眉も黒くきつぱりとして、表情もどこか厳しい。
薬箱を提げてゐて、どこかへ出診療でもしに行つた帰りかといふ感じだ。
蓬子は、以前の展示ではあばたの跡のやうなものが見えたやうに思ふのだが、今回の展示では感じなかつた。
前に見たときは照明の関係でたまたまさう見えたのかもしれない。
蓬子も飯田とヒカリエとであまり印象の変はらない人形かもしれない。
人物設定にブレが少ないのだらう。
赤鼻の伴卜はひとりで座してゐる。
なぜここに伴卜、と思ふが、衣装が華やかだからかな、とも思ふ。
麻鳥も蓬子も質素ななりをしてゐるからだ。
飯田の伴卜といへば、男物の羽裏、すなはち羽織の裏地を衣装に用ゐてゐることを思ひ出す。
今回、美術館の方もさう説明してゐた。
大変お洒落な羽裏だ。
それにサテン地とおぼしきターコイズブルーを合はせてゐる。
羽振りのよさが知れる衣装だ。
人形アニメーションの展示は、今回は「蓮如とその母」から。
「平家一門」のケースの向かひにケースが三つあつて、左からそれぞれ法住、蓮祐と蓮如、若いおれんと長右衛門がゐる。
出口付近の大きいケースには左から東条坊、叡山の高僧、おれん、おてつ、おけふがゐる。
人形アニメーションの人形のポージングはいつもあまり変はらない。
「蓮如とその母」の人形たちはどうかはよくわからないが、初期の作品、「花折り」や「道成寺」の人形は経年劣化で可動範囲がせばまつてゐて、あまり動かせないやうになつてゐるとも聞く。
「蓮如とその母」の人形たちもさうなのかもしれない。
とはいへ、よく見てみると、前回見たときは苦悶するといつた大げさかもしれないが、しかめつ面に見えた蓮如の表情がやはらいでゐるやうに見えるし、去年映画を見たばかりだからかもしれないけれども長右衛門はおれんに声をかけやうとして、やつぱりかけづらいやうなやうすに見えたりもする。
さういやおけふ(おきょう)の衣装は映画とは違ふままのやうに見受けられた。
DVDは発売されたと聞いたがまだ手に入れてゐないんだつた、といふことを思ひ出した。
手に入れなければ。
今回、ホワイエには「クイズおもしろゼミナール」の鈴木健二の人形が展示されてゐる。
我が家ではこの番組はあまり見てゐなかつたのだが、それでも懐かしさに思はずしげしげと見てしまつた。
個人的な話だが、飯田で見るのははじめてだと思ふ。
また、昨今いはゆるアニメ絵の童話などが話題になつてゐることもあつて、トッパンの人形絵本の展示を楽しんできた。
トッパンの人形絵本にも、ちよつととつつきにくいやうな人形もあつたやうに思ふが、ここに飾られてゐる本はどれもどれもすばらしい。
今回の展示は12/4までのやうだ。
12/8から新たな展示になる予定だといふ。
また見に行くのが楽しみだ。
紳々竜々と「荊州の人々」についてはこちら。
「玄徳の周辺」についてはこちら。
「江東の群像」前半はこちら。
「江東の群像」後半はこちら。
「曹操の王国」前半はこちら。
「曹操の王国」後半はこちら。
「源氏と木曽」についてはこちら。
「平家一門」についてはこちら。
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