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Friday, 02 November 2018

飯田市川本喜八郎人形美術館 江東の群像 2018後半

10月26、27日と飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
今回は「江東の群像」について書く。

展示室に入つてつきあたりの現在「玄徳の周辺」のケースの右側に「江東の群像」のケースがある。
展示室の中ではメインのケースだと思はれる。
このケースには、左から順に魯粛、程普、黄蓋、呉国太、大喬、孫権、周瑜、小喬、喬国老、闞沢、徐盛、諸葛瑾が並んでゐる。
ケースの中心奥の高いところに孫権がゐる。

ケース左端の奥に魯粛がゐる。
どことなく地味に見えるのは照明が暗いからか。
「人形劇三国志」の展示テーマが「赤壁の戦ひ」なのだから、魯粛はもつと目立つてもいいのにな、と思ひつつ、さういへば魯粛はいつも控へめかもしれない、と思つたりもする。
前回、「荊州・江東の人形には黄色系の衣装を選んでゐた」といふ話をしたが、今回の魯粛にはあまり黄色みはない。
灰色がかつたちよつと明るい紺色の地といふのが、地味さにつながつてゐるのかもしれない。

程普は魯粛の前、やや右側に立つてゐる。
だいぶ前にも書いたやうに、「人形劇三国志」の人形のなにがすごいつて、むくつけきをぢさんやお爺さんの衣装が花柄だ、といふことだ。
劉琦の衣装のやうに華やかな花柄なこともあれば、程昱の衣装のやうに小花をたくさん散らしたやうな模様もある。
それでゐて全然をかしくない。
スーツにしたら花柄はをかしいのかな。
ネクタイなら大丈夫かも?
さまざまなことを考へてしまふ。
今回見てみたところ、程普の衣装には目立つところには花柄はなささうだつた。
以前、美術館の方に川本喜八郎が好きだつたと聞いた荒磯が目立つ衣装だ。
程普の衣装には黄色い荒磯が使はれてゐる。
ほかにも荒磯をあしらつた衣装を着てゐる人形がゐた気がするが、定かではない。色は違つたやうに思ふんだがな。

程普の右側に黄蓋が立つてゐる。
このケースの中では一番生き生きしてゐるかも。
見る角度によつてちやんと目が光るやうになつてゐる。
黄蓋の目にはガラスもしくはアクリルのやうな素材が使はれてゐるので、照明を反射してきらりと輝くのだつた。
それで生き生きして見えるといふこともあらう。
また、見るこちらが赤壁の戦ひと思つて見るからよけいに黄蓋が元気に見えるのだともいへる。

黄蓋の後方やや右側の高いところに呉国太が立つてゐる。
正面を向いてゐて、ちよつと離れたところからケースを見ると喬国老と対になつてゐるやうにも見える。
呉国太が出てくるといふことは玄徳の再婚まで入つてゐるといふことか。
人形劇三国志を見てゐると、周瑜の死までで一区切りといふ気がすることもある。
呉国太の衣装には瓢箪柄の部分があつて、これがなかなか可愛い。衣装全体はおごそかな感じなのだが、瓢箪がちよつと重さを軽減してゐる。
呉国太の表情自体も厳しさうでゐて福々しくもあるので、衣装とあつてゐるなと思ふ。

呉国太の前、やや右よりのところに大喬が立つてゐる。
牡丹の花を手にしてゐて、とても美しい。
とても美しいのだが、残念ながら大きい髪飾りがその花の顔に影を落としてゐる。
照明の加減だらうとは思ふのだが。
今回、黄蓋とか後日出てくるだらう程昱とか、照明の加減でよく見える人形もゐるのだが、大喬は照明の加減がむつかしかつたのかなあ。
いままでの展示でも大喬を見たことはあると思ふのだが、髪飾りの影が邪魔などと思つたことはなかつた気がするのだが。
美人だけに残念である。

以下、つづく。

紳々竜々と「荊州の人々」については
「玄徳の周辺」については
こちら

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