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Wednesday, 31 October 2018

飯田市川本喜八郎人形美術館 紳々竜々と荊州の人々

10月26、27日と飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
現在の展示では「人形劇三国志」の主題は赤壁の戦ひだ。
「人形歴史スペクタクル 平家物語(以下「人形劇平家物語」)」には全体的な主題はなく、「木曽と鎌倉」「平家一門」のほか小ケースに麻鳥・蓬子・伴卜がゐる。
人形アニメーションは「蓮如とその母」だ。
ホワイエには「こども向けの仕事」と題してさまざまな人形が展示されてゐる。

展示室の入口を入ると、右手のケースに紳々と竜々とがゐて出迎へてくれる。
ふたりとも曹操軍の出で立ちだらう。
紳々の方がきちんとした着付けになつてゐて、竜々は帯締め(のやうなもの)がチト下過ぎるかなあといつたところ。
人形劇で見ると、剣を提げてゐるとどうしても帯締めが下にいくやうなので、竜々がだらしないといふわけではないと思ふ。
どちらかといふと、これまで見た展示では紳々の方がだらしないといつたら失礼かもしれないがくだけた着付けの印象がある。

美術館の方が、紳々竜々について放映当時人気のあつた漫才師をモデルにしてゐて、といふ旨の説明をしてゐるのを聞くと、この説明が有効なのはいつまでだらうと思ふことがある。
今回はご年輩の来館者が多かつたのでまつたく問題はなかつたやうだが、若い方や海外からのお客には通じないだらう。

海外からのお客といへば、美術館としてさういふお客さんにも対応しやうと本腰を入れてゐるやうすが伺へた。
日本の外からも飯田に見に来てくれる人が増えるといいなあ。

入口を入つて左手のケースには荊州の人々が並んでゐる。
手前から劉表・蔡夫人・劉琮・劉琦・玉桃の順に並んでゐる。

劉表は人形劇のときは人のよささうなお大尽といつたやうすだつたが、近くで見ると目の形に特徴があつて、一筋縄ではいかない人物のやうに見える。
行く先のない玄徳一行を快く受け入れてくれた印象があるからか、こちらにも「Welcome.」と云つてくれてゐるやうな気がする。
でも、荊州の牧に入口に近いところにゐられるとちよつと恐縮してしまふな。
ここは端近、といはうか、下手な感じといはうか。
会議室やエレヴェータで適切な居場所はどこかと悩む Japanese Business Person の悲しさかもしれない。
劉表は前掛け部分の龍が見事で、それがよく見えるのがうれしい。

蔡夫人は劉琮の肩を抱くやうに劉琮のやや左後ろに立つてゐる。
劉琮はとくにいやがるやうすもない。
この構図は以前も見た。
以前は、蔡夫人と劉琮とで視線の向かふ先が違ふのがおもしろかつたやうに記憶してゐる。
今回の劉琮は蔡夫人の云ひなりに近い感じだらうか。
蔡夫人はきつぱりした顔立ちで、気が強さうなところが人形劇のときの印象と変はらない。
人形劇の劉琮はもうちよつと自分でものを考へて行動する人物だつたやうな気がする。

劉琦からはちよつと照明が明るくなる気がする。
展示室の内部に近づくので、展示室のあかりが届きやすいのだらう。
川本喜八郎の話では、荊州や江東は南の方なので、黄色や橙色といつた華やかな色を人形の衣装に使ふやうにした、といふ。
劉表もさうだし、この先出てくる孫権その他江東の人々の衣装も黄色を基調としたものが多い。
劉琦もその例にもれず、地は黄色や橙色で、そこに大輪の菊をはじめとした秋の花々が散りばめられた模様で、もう「これでもか」といふくらゐ華やかな衣装をまとつてゐる。
だといふのに劉琦から受ける印象はどこかさみしげで儚い。
人形劇を見てゐたからさう思ふのかもしれない。
ここにも何度も書いてゐるやうに、劉琦さまといへば人形劇三国志一ほつれ毛のうつる男だ。
こめかみから頰にかけてはらりとこぼれた髪の毛のゆれるさまがよく似合ふ。
そんな憂愁の貴公子が劉琦だつた。
人形劇三国志を見てゐない人でもこの劉琦を見て「さみしさう」と思ふのだらうか。
もの思はしげな表情と、血の気の失せたやうな顔色を見ればそんな気もするのかな。
今回は右から見た劉琦さまがよかつた。

玉桃は、人形劇三国志オリジナルの登場人物で、玄徳と淑玲とを結びつけるために出てくる。
玄徳が独り身だといふので、劉表が自分の姪を嫁にどうか、と勧める、その姪が玉桃だ。
そこまで人形劇を見てきた視聴者は思ふ。
玄徳には淑玲がゐるんだから、邪魔するんぢやないよ、と。
玉桃の存在が玄徳・淑玲とその周辺をかき回し、結局玄徳と淑玲とは結婚することになる。
劉表の姪だから装飾品や衣装はいいものだ。
でも玉桃はそのまま飾つてしまふと、ちよつとおかめ顔めいた感じであんまり可愛くないんだよね。
もうちよつと可愛く見えるやうにしてあげてもいいのにな、と、手前勝手なことを考へてしまふ。

以下つづく。

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