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Thursday, 30 August 2018

いつたい何をどう見てゐたのか

去る日曜日、「仮面ライダービルド」が最終回を迎へた。
結末を記してあるので、ネタバレを厭ふ向きとはここでおさらばでござんす。

そんなに熱心に見てゐたわけではない。
途中だいぶ抜けてゐる。
とくに放映時間帯が変更になつてからしばらくは見てゐなかつた。
浜田晃も途中で死んぢやうしさー。
「仮面ライダードライブ」のときも「堀内正美が死んでしまつたー」といふのでしばらく見なかつた時期があつた。
「ラスボスぢやないのかよ!」みたやうな気分だつたんだな。
浜田晃がラスボスぢやないことはわかつてはゐたけどさー。

最終回前の数回は見てはゐた。
生活時間の中で放映時間がうまい具合に組み込まれたんだと思ふ。意図してさうしたわけではないけれど。

最終回では、「新世界」が生まれて、主人公・桐生戦兎以外の人間には前の世界での記憶がない、といふ状態になつた。
初回は記憶がないのは戦兎の方だつたやうに思ふ。
逆転しちやつたんだな。
「美空はもしかして覚えてゐる?」みたやうな展開になつて、でもそれは勘違ひで、やつぱり自分はひとりなんだ、と戦兎がぼんやりしてゐると、なんとそこに万丈龍我が「なんで香澄と一緒に黒髪の俺がゐるんだよ」とか文句を云ひつつあらはれる。
万丈はこの世界にはふたりゐて、この万丈には前の世界の記憶がある。

さうかー、戦兎ひとりぢやなかつたんだね。
よかつたね。

と思つてゐたわけだ、最終回を見た直後は。

ところがその後 Twitter の TimeLine に「ビルドはBLエンディング」といふやうなつぶやきがちらほら流れてきて、「えっ、さうなの?」とちよつとびつくりしてしまつた。

全然そんなこと考へてもみなかつたからだ。
Twitter でほかの人の感想・考察などを見ると、「なるほど、BLエンディングとはさういふことか」と目からうろこの落ちる思ひだつた。

「ひとりぢやなくてよかつたね」だなんて、なんてお子さまな感想なのか!

多分、BL小説とかBLまんがとか読んだことがない。
それでさういふ感性が欠落してゐるのだらう。
或は「粗にして野だが腐ではない」とか云つてゐるからかもしれない。
あまり腐属性がないやうに思ふし、恋愛ものを見たり読んだりすることがほとんどない。

考へてみたら最近恋愛映画つて少なくないですか。
ぢやあなにが恋愛映画なんだよ、といふ話になるが、いまぱつと映画館の上映作品を眺めてみても「これは恋愛映画」といふものはあまりないやうに思ふ。

もつと考へてみたら「シン・ゴジラ」がよかつたのは恋愛要素を入れなかつたから、なんてな論評があつたことを思ひ出す。
「シン・ゴジラ」はともかく、世の中「恋愛」を前面に出した映画よりもほかのことをfeatureしてそれでゐて恋愛要素もある、みたやうな映画の方が受け入れられやすいのかもしれない。

そんな世の中にありながら、「仮面ライダービルド」の最終回は「BLエンディング」とみな即反応できるんだなあ。
仮面ライダーについては、とくに平成ライダーと呼ばれる作品群については、さういふ見方をする人々もゐる、と聞いてはゐた。
しかし、こんなに見事に多くの人がさう思ふといふさまを目の当たりにして、しみじみ自分はいままでなにを見てきたのだらうか、と思つてしまつたのだつた。

とはいへ、自分は自分の見方で次の「仮面ライダージオウ」も見るつもりでゐる。
そしてまた「えっ、そんな見方もあるのか!」と驚愕することだらう。
それもまた楽しみ。

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