ペネックとカクノと情報カード
あたぼうステーショナリーのペネックでパイロットの万年筆カクノを持ち歩かうと思つたのには、ふたつ理由がある。
ひとつは増殖するkakunoをまんべんなく使ひたいと思つたからだ。
毎日「今日のカクノ」を決めて、ペネックに入れて持ち歩く。
かうすればそのカクノを確実に使ふことになる。
出先でなにも書かないこともあるだらうつて?
それはそのとほりだ。
だが、毎日ペンを入れ替へるので、帰宅後はペネックを机のうへにおいてゐる。
そこらへんにぬかりはないのだつた。
もうひとつの理由は、カクノがコレクトの5×3カードと相性がいいことだ。
コレクトの5×3カードではセクションと呼ばれる方眼罫の情報カードを愛用してゐる。
このカードに普段使つてゐる金ペンで書くと、なんとなく書きにくいことがある。
その日の温度や湿度、気圧によつても違ふのかもしれないし、やつがれの気分によつても違ふ。
中屋万年筆の十角軸でよく書けるなあと思つたら、翌日はあんましよくなかつたりとか、かなり頻繁にあるし、ほかのペンでも同様だ。
カクノはさういふことがあまりない。
ペン先はEF、F、Mと持つてゐて、いづれも書き味にはそれほど差はない。
中に入れてゐるインキもペンによつてさまざまだ。
パイロットの色彩雫を入れてゐるものもあれば、プラチナの古典インクを入れてゐるものもある。
最近お気に入りなのは、中字にLANYのペトロールを入れたペンだ。
これがちよつとぬめりのあるなんともいへないたまらない書き味なのだつた。
ぬらぬらよりも粘り気があるやうに感じる。
書いてゐて、ペン先と紙とがはなれたがらない、そんな感覚を覚える。
コレクトの5×3カードに書いても同様だ。
ペネックにカクノを入れて持ち歩くやうになつてからといふもの、情報カードの字が読みやすくなつたやうに思ふ。
書きやすいから字を書くときに気をつける余裕が生まれるからだらう。
情報カードについても増殖しつつあり、しかもやつがれの暮らしやうではこれは役に立たないのではあるまいかといふ気がしてならないのだが、それを考へなければ、いまのところいいことづくめだ。
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