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Tuesday, 21 August 2018

進歩に気づかない

最近タティングをするのが楽しくてたまらない。

「詩経」に織姫が機を織るさまを「纖纖として素手をあげ 剳剳として機杼を弄す」と詠んだ詩がある。
この「剳剳(サツサツ)」といふ機を織るときの音の感じと、シャトルをあやつるときの感じとが重なるんだなあ。
どちらも杼(シャトル)だしね。

いま作つてゐるのは、復刻版 タティングレース モチーフ&エジング 101に掲載されてゐるモチーフだ。No.19、かな。
大きさからいふとドイリーといつていい。
もともとの本では表紙になつてゐたドイリーだ。

Tatting Doily in Progress

以前は、この中央のモチーフが苦手だつた。
チェインの長さがそろはず、きれいな花びらにならないのだ。
自分にはこのタイプのモチーフは作れない。
さう思つてあきらめてゐた。
今回、不意にドイリーが作りたくなり、この本をパラパラと見てゐたらNo.19が目にとまつた。
思ひきつて挑戦してみると、案外悪くない。
以前は目の増えた段が妙にふくらんでしまつたり、それが気になると次の段はきつくなり過ぎてしまつたり、さんざんな出来だつたのに。
いつのまに上達したのだらう。
かういふ進歩つて、自分ではよくわからないものなのかもしれない。

Tatting Doily in Progress

シャトルを二つ使ふといふのも、以前は忌避してきたものだつた。
シャトルは最大四つ使ふものを作つたことはある。スプリットリングの中にリングを作るのに使はなかつたシャトルを通し、リングにリングを重ねるやうな形のエジングだつた。
でもそれも一度だけ。
どうも使つてゐないときのシャトルの処遇に困つてしまふのだ。
目の前に机でもあればいいけれど、さうさういつもさうといふわけにはいかない。
それに、不器用といふのもいけない。

ところが最近(といつてもここ数ヶ月あまりタティングをしてゐなかつたが)スプリットリングを使つたモチーフやエジングをよく作るやうになつたせゐだらう。
シャトルを二つ使ふことに抵抗感がなくなつてきた。
そんなわけで、目の前に机やそれに代はるものがあるときに限り、このドイリーを作つてゐる。

Tatting Doily in Progress

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