手芸好きの悪癖
時計の修理が終はつた。
さう時計屋から連絡があつた。
うれしい反面、丸四つだたみの時計チェインはまだまだ完成しさうにないのでどうしやうかとと途方にくれてゐる。
そもそも、チェインを手作りしやうとしたのが間違ひだつたのぢやあるまいか。
時計についてきたごく細い樹脂のチューブのやうな紐が切れてからは、タティングレースのチェインを使つてゐた。
スプリットリングにビーズをあしらつた極々シンプルなもので、しかし、時計の重さに負けてぐでつと伸びてしまつてゐた。
それでも使用に支障はなかつた。
そのタティングレースのチェインもところどころほつれてきてしまつた。
そこで、今度はマクラメでもつとしつかりしたチェインを作らうと思つた。
作る以外に選択肢はないのか。
なくはない。
買ひにいけばいい。
しかし、さういふチェインつてどこで売られてゐるのだらう。
ビーズ売場だらうか。
或はアクセサリー店か。
買ひに行くのを渋つた結果が手作りである。
手芸好きな人間には、かういふ傾向があるのかもしれない。
なんでもかんでも「作ればいいぢやない」といふ傾向が。
糸がなければ「紡げばいいぢやない」。
マフラーがほしければ「織ればいいぢやない」または「編めばいいぢやない」。
手提げがほしければ「縫えばいいぢやない」または「編めばいいぢやない」。
自分にはないと思つてゐたんだがなあ。
だつて買つた方がしつかりしたものが手に入る可能性が極めて高いし、結果として安価だし時間もかからない。
さう思つてゐるんだがなあ。
だからくつ下も編みはするけれど、通常履くものはすべて購入する。
その方が安くて丈夫なものが手に入るからだ。
編んだくつ下は寒い日に自宅で履くものだ。
考へてみたら、もう何年も履いてゐて繕ひもしてゐない手編みのくつ下もある。
でも外には履いていかない。
たまーにサンダルで出かけるときに履くこともあるけれど、それも四年に一度あるかどうかといつた具合だ。
こんな調子で自分は practical であると信じてゐたのに、さうでもなかつたんだなあ。
とりあへず時計は今週中にも受け取る予定だ。
チェインはどうするかなあ。
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