隣の男が壁を抜けたつてね
「怪奇大作戦」の上映会イヴェントがあるのださうな。
ときは2018/8/19(日)、ところは和光大学ポプリホール鶴川とのこと。
まだ詳細は確認してゐないが、「壁抜け男」と「霧の童話」を上映するのらしい。
「怪奇大作戦」は放映開始から今年で五十年、なにかしら記念イヴェントがあるだらうと思つてゐた。
よかつたよかつた。
円谷で五十周年でイヴェントといふことで、一昨年の「ウルトラマン落語」や去年の「ウルトラセブン落語」のやうに「怪奇大作戦落語」もあるとといいんだけどなー、と思ひはすれど、もちろんあるとは思つてゐない。
今年も「ウルトラセブン落語」は開催されるのだとは聞いてゐる。
こちらはときは2018/9/16(日)、ところは日本教育会館一ツ橋ホールださうな。
落語家は柳家喬太郎と柳家喬之助、ゲストに森次晃嗣とひし美ゆり子が出るといふ。今年は紙切りの林家二楽の名前がないのがチト残念。
去年の「ウルトラセブン落語」は上野の鈴本演芸場で、このときはゲストに森次晃嗣が来た。
いやー、もりあがつたねー、「特別ゲストです」つて呼ばれて出てきたときには。
場所が鈴本だからか、あまりウルトラに興味のない客もゐたやうなのだが、といふのは最初に「私情最大の侵略」のマクラで喬太郎がかなり客席のやうすを探つてゐたやうに見受けられたのでさう思ふのだが、いやでもさ、「ウルトラセブン落語」ですよ。ちやんとさう銘打つてるんだからさ、盛り上がるでせう、そりや。
登壇した当初は年相応に落ち着いて見えた森次晃嗣が、喬太郎・喬之助・二楽とのトークが進むうちにどんどん生気に満ち、若返つていくのがわかつて、とてもおもしろかつたし、さういふ姿を見てこちらも気分が昂揚していくのを覚えたことが忘れられない。
さういやこのとき二楽は「フジ隊員はお姉さんといつた趣だつたけれど、アンヌ隊員は、ね」と、アンヌ隊員好きなことを話してゐた。
もともとは別の人が配役されてゐたのが急遽変はつので制服の変更が間に合はず、ぴちぴちな感じで着てゐた、といふ話の流れからだつたと思ふ。
実相寺昭雄は逆なことを云つてゐたやうな気がするけれど、おもしろいねー、さういふものなのねー、と思つたりもした。
さういへば、冒頭に書いた怪奇大作戦イヴェントにはそのフジ隊員・桜井浩子もくるのださうな。
一昨年の「ウルトラマン落語」のときはやつぱり鈴本演芸場で下席の十日間、「ウルトラ喬タロウ」と題して喬太郎がウルトラマンネタの噺をかけたのだが、ウルトラセブン落語はその日一度きりだつた。
このときかかつた噺は「ウルトラ仲蔵」や「抜けガヴァドン」などほかの落語会で聞くこともある噺もあるのだが、「私情最大の侵略」と「セブン段目」がほかでかかつたといふ話は寡聞にして聞いたことがない。あるのかなあ。
九月の会では新作をかけるのか、それとも「私情最大の侵略」をリファインしてくるのか、気になるところではある。
「セブン段目」も好きなんだよなあ。
おそらく、元ネタの「七段目」にしたつて、歌舞伎を見たことのない人にはなにがおもしろいのかよくわからない噺なのだと思ふ。
若旦那と貞吉とのやりとりがなんとなくおもしろいから笑へるのであつて、元ネタがわかつて笑つてゐるばかりでもないだらう。
聞いたことはないけれど、昔は声音でやつたりもしたんぢやないかなあ。
圓生の「掛取万歳」の芝居の部分はものまねが入つてゐて、あんな感じで「七段目」をかけることもあつたんぢやあるまいか。
「あたしは播磨屋でいくから。貞吉、おまへはどうする」「あたしはぢやあ、歌右衛門で」「大成駒。おまへも目が高いねぇ、うんうん」なんてな感じでさ。
でもいまそれをやつてもおほかたのご見物には通じない。
それでとくに誰といふことに言及せずにやるやうになつてゐるのぢやないかなあ。
だつて芝居好きだよ、若旦那も貞吉も。
絶対自分の好きな役者のまねでやりたくなるつて。
「七段目」の不満になつてしまつたが、ともかく、「セブン段目」は「マニアつてかうだよね」といふ楽しさにあふれた噺なので、聞きたいのだが、しかし、多分、話して二席だよね。
一席は新作がほしいし、さりとては、だ。
九月までこんな感じで楽しめるといふのもまた一興ではある。
ところで、二月の落語会で、喬太郎はちらりと「今年は「怪奇大作戦」が放送開始五十周年」と云つてゐた。
そこはそれだけで終はつてしまつたのだけれども、なんかどこかでちよこつと話したりしないか知らん。
しないか。
しないな。
「ウルトラセブン落語」のマクラとかで、ちよろつと、とかさ。
期待はすまいと思ひつつ、してしまふ。
まあでも、「怪奇大作戦落語」つて、素人でも考へつくよね。
以前こんなことをつぶやいてゐる。
牧さん 隣の男が壁を抜けたつてね改訂版はこんな感じ。
ノム へえ
助さん 隣の男が壁を抜けたつてねこれでちやんと「怪奇大作戦落語」になるぢやないですか。
ノム へえ
さおりちやん カッコい〜!
#なりません。
そんな「壁抜け男」の上映される八月、そしてよくわからないけれども「ウルトラセブン落語」のかかる九月と、今年も円谷的に楽しめさうでなによりぢやよ。
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