あひかはらず「タッチング」
昨日も書いたやうに、この連休中タティングレースもなにも進まなかつた。
代はりといつてはなんだがマクラメをはじめてみた。これも仕上がつてはゐない。
「1日でつくれるマクラメアクセサリー」といふ本に掲載されてゐるブレスレットを選んでみた。
メルヘンアート マイクロマクラメコードを遣つてゐる。
マイクロマクラメにはだいぶ以前から興味があつて、そのものずばり「Micro Macrame」といふ本も持つてゐるし、その本を見て化繊の糸といふか紐といふかを買つてみたりもした。
その感じからいふと、メルヘンアートのマイクロマクラメはだいぶ太いやうな気がする。もうちよつと細くないと丸小ビーズなんかは遣へないんぢやないかなあ。
名前に比して太いものの、マイクロマクラメは結びやすい。
結んだあともそれほどほどけてこないやうに思ふ。
ところで、「タッチングレース」が「タティングレース」と呼ばれるやうになつてしばらくたつ。
もう「タッチングシャトル」といふ人はさうゐない気がするし、本の題名も「タティング」に統一されてゐるやうに思ふ。
まれに老舗とおぼしき手芸屋に行くと「タッチングレースですね」と確認されることがあるが、それももう十年は前のことかなあ。
かくして世の中の「タッチング」は「タティング」に塗り替へられたわけだが、ここに一カ所、「タッチング」といふ呼称を残しているものがある。
マクラメだ。
マクラメのタッチング結びはあひかはらず「タッチング」で「タティング」に変更されさうなやうすはない。
その結び目はどこからどう見ても「タティング」なのだが、先日出版されたばかりの「1日でつくれるマクラメアクセサリー」にも「タッチング結び」と書かれてゐる。
外来語の読み方が分野などによつて異なることがあるのはさうめづらしいことでもないとは思ふ。
化学の世界では「キラル」と読むが物理学の世界では「カイラル」と読む、とかね。
キラル化合物とはいふがカイラル化合物といふことばはあまり聞かない気がするし、キラル対称性よりカイラル対称性の方が少なくともやつがれにはなじみがある(どういふものかはわからないけれど)。
おそらく、本邦でタティングレースをする人々はフィンガー・タティングはあまりしないんだらう。
フィンガー・タティングとはシャトルや針など道具を遣はずにするタティングのことだ。
えうするにマクラメのタッチング結びとおなじことをするわけだ。
フィンガー・タティング人口が多ければ、マクラメのタッチング結びといふ呼び方をちよつと奇異なものと思ふ人も多くなるのではないかといふ気がする。
なんとなくだが、マクラメもタティングレースもするといふ人が少ないのかもしれないとも思ふ。
そもそも糸を結ぶ手芸に興じる人口が少ないか。
いづれにせよ、マクラメのタッチング結びははこのままタッチングのままなのだらう。
"A rose by anyh other name would smell as sweet." とジュリエットも云つてゐる。
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