お道具のありがたみ
ここのところタティングレースではこれといつたものを作つてゐない。
職場の引越しにともなつて荷物を片付けてゐたところ出てきた職場用タティングシャトルに残つてゐた糸で Mary Konior の Curds and Whey を作つてはリングの大きさをそろへる練習をしたくらゐだ。
最近はもつぱら化繊の糸で丸四つだたみを作つてゐる。
糸といふか、コード、かな。
C-Lon Bead Cord といふコードを使つてゐる。
7年くらゐ前、Micro Macrame を知つたときに入手したもので、そのままはふつてあつた。
なんだかもつたいなくて使へなくてね。
丸四つだたみの組み方は「1日でつくれるマクラメアクセサリー」を見て覚えた。
ハマナカのくみひもディスクを持つてゐるので、それを使へばいいのに、わざわざ手で作つてゐる。
くみひもディスク自体は邪魔にならなくていいお道具なのだが、道具なしにはかなはない。
最初はよくわからなかつたが、何度かやるうちにだんだん丸四つだたみの仕組み(といふか)がわかつてくる。
これはくみひもディスクだと少しむつかしいかもしれない。
くみひもディスクの場合は何番にかけた糸を何番にかけなほして、次に別の番号にかけてあつた糸をさらに別の番号にかけなほし……をくりかへしていくとできる。
手順ばかり追つてゐて、なにがおこつてゐるのか、紐同士がどう組み上がつていくのかといふことまではなかなか気が行かない。
一方で、手だけで丸四つだたみを作つてゐると、お道具のことがありがたく思へることも事実だ。
それまでも、くみひもディスクはすばらしい道具だと思つてゐた。
なにしろ、直径15cm、厚み1cmていどの道具だけで組紐が作れるのだ。
くみひもディスクが世に出る前、「おしゃれ工房」で組紐をとりあげたことがある。
テキストには風呂場で使ふ椅子がいいと書いてあつた。
まんなかに穴が空いてゐるのでそこにできた組紐を垂らしていく。
おもりは適当な重さの石を見つけてきて紙粘土で覆つてあつかひやすい形にする。
「なるほどねー、それで組紐の道具ができあがるわけね、」と当時は感銘を覚えたものだつた。
くみひもディスクは風呂場の椅子のやうな大きな道具は不要だ。
おもりもあつた方がいいときもあるけれど、当時はフィルムケースにコインなどをつめればよいとあつた。当今ではフィルムケース自体を見なくなつたのでなにか別のものを考えなければならないが。
組み具合は、糸の引つ張り加減で調整する。
手で組む場合はおもりはあると邪魔だ。
組み具合を糸の引き具合で調整するところはおなじだが、くみひもディスクの場合はディスクに糸をはさめばよいので比較的かんたんに調節できるのに比べ、手で組む場合はゆるんでくることもある。また毎回おなじ力加減で引くのも大変だ。
でも手だけでやつてしまふんだよなあ。
いま作つてゐる丸四つだたみの紐はできれば時計のチェインにしたいと思つてゐる。
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