旅の友
四月二十一日土曜日に御園座に行つてきた。
こけら落としかつ白鸚・幸四郎襲名興行を見に行くためだ。
種々の理由のため、朝から行つて昼の部だけ見て帰ることにしてゐた。
そこで、新幹線の中でちよつとタティングしてみやうかなと思ひ、朝糸をボビンに巻いて家を出て、新幹線の中で撮つた写真がこれである。
ここから、Mary Konior の Tatting in Visual Patternsに掲載されてゐる Curds and Whey を作りはじめた。
別になににしやうと決めてはゐない。
ただ旅の友としてなにか作りたかつただけだ。
新横浜から途中ぼんやりしつつ、浜名湖にさしかかるくらゐまでちまちま結んでゐたらうか。
前の夜は心持ち早めには寝たものの、寝不足であることにはかはりない。
浜名湖の競艇場を過ぎたあたりから記憶を失つて、「次は名古屋」といふアナウンスで目が覚めた。
御園座では結ばなかつた。
御園座ではB席に座つた。
足下は広いものの、座席の横幅はお世辞にもゆつたりしてゐるとはいへない。
お隣のお年寄りが、体力がもたないのだらう、姿勢を保てないやうすでやつがれ側の椅子の仕切に時折肘をつくのだが、さうするとこちらのわき腹にあたる仕組みになつてゐた。
そんな状況でタティングはチト無理だ。
これが帰りの新幹線に乗つたときに撮つた写真。
それほど進んでゐないのは、結びはじめの糸端の始末をしながら進めたからだらう。
今回は行きも帰りも富士山が見えた。
結んだり休んだりしながら品川駅手前で撮つたのがこの写真である。
だからどう、といふ話ぢやないが、たまにはかういふのもいいかもしれない。
このあと、もう半分だけ模様を足して、糸がなくなりさうなのでそこで終はりにした。
まだ仕上げはしてゐない。
この連休中、遠出をするつもりはないが、するやうだつたらまたかういふ感じでなにか作つてみやうかと思つてゐる。
今度はマクラメかなあ。
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