3月の読書メーター
3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1758
ナイス数:28
新釈漢文大系 120 史記(列伝七)十四の感想
最終巻ということで列伝用の索引がついていて、これを読んでいるだけでも面白い。讃を読みながら思い出せない話が多いことに落ち込みつつ、「忘れたらまた読めばいいし」と思うことにする。
貨殖列伝はしかしそんなに司馬遷の意図を慮らねばならない内容なんだろうか。素直に「お金儲けした人にも素晴らしい人もいる」じゃダメなのかな。ダメなのか。
読了日:03月11日 著者:青木 五郎
Thinking, Fast and Slowの感想
最近「反射的にものごとをこなすのではなくよく考えて行動しよう」という趣旨の記事を読んだ。この本を読むと、本能的反射的なSystem 1をそんなに忌避しなくてもいいんじゃないかという気がしてくる。どうせ無理なんだし。
今年に入ってから読んだ認知心理学の本三冊すべてに引用されている本なので読んでみた。ほんとはこれを先に読むとよかったんだな。一度では覚えきれないので、機会があったら再読するつもり。
読了日:03月15日 著者:Daniel Kahneman
科挙―中国の試験地獄 (中公文庫BIBLIO)の感想
才能があってとにかく努力して、結果を分かつのは最終的には人柄になってしまうというのはなんとなくわかる気がする。もうそこしか頼る場所がないからだ。その割には世の中よくならないのは、いい人がいい政治をするとは限らない、いい人がたくさん集まってもいいことは起こらないということなのだろうか。あるいは個人の栄達は必ずしも国家の繁栄にはつながらないということか。科挙導入の理由やその科挙のもたらしたものごとが書かれているのがいい。昔新書を読んだんだけど、それとは別ものなの? 新書も読むしか?
読了日:03月19日 著者:宮崎 市定
AI vs. 教科書が読めない子どもたちの感想
読解力の方に興味を惹かれて読んだ。未来も心配だけれど、いま現実に目の前にいるマニュアルを理解できない社員や顧客とはどう付き合っていけばいいのだろうか。と悩むほど自分が読めているという感覚はこの本を読んだいまとなってはない。「マニュアル人間」っていうけど、読めてるだけいいんじゃない、という気にすらなる。マニュアルの外のことを読めてはじめて「読解力がある」というのだろうけれど。
読了日:03月24日 著者:新井 紀子
義太夫を聴こうの感想
「浄瑠璃を読もう」でも思ったことに、「詞章って大事」ということがある。とくに義太夫はそうなんじゃないかという気がする。義太夫を聞いて帰る道すがら、覚えた文句を口にしたくなる、それは義太夫が歌だから、という趣旨のことが書かれていて、「詞章より音楽なのでは?」という向きもあろうが、でもそれなら三味線の手を再現したい(「ツツテン」とか)と思うかというと、そうでもない。「山の段(歌舞伎だから「吉野川」か)」に挫折した話はおもしろい。人は寝てお浄瑠璃を覚えるのかもしれない。
読了日:03月27日 著者:橋本 治
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