すがれた色のインキ
プラチナ萬年筆の古典インクは、六色全部試した。
あまり使はないだらうなと思つてゐたシトラスブラックを一番使つてゐることに気づき、マイスターシュテックに入れることにした。
いまは、カシスブラック以外は日々使ふペンに入つてゐる。
カシスブラックを使はない理由は、似たやうな色合ひのモンブランのバーガンディレッドを使つてゐるからだ。使ひわけの工夫を思ひつかないので、いまは使つてゐない。最近バーガンディレッドを見かけないのでそのうちカシスブラックを使ふやうになるのではないかと思つてゐる。
カーキブラックは、使ひはじめた当初はあまり使はないかもしれないな、と思つてゐた。
セピアブラック、カーキブラック、シトラスブラックは、時間をおいたときに似たやうな色になるだらうと思つてゐたからだ。
また、カーキブラックはセピアブラックに比べて色が淡い。
字を書くにはもうちよつと黒みがかつた色の方がいいのではないか。
さうも思つた。
それが使ひつづけてゐると、この色の淡さがいい感じなんだなあ。
主張しない色なのである。
ちよつと存在感の薄いところがとてもいいのだつた。
書いたあとはだんだん黒くなつてくるので存在感を増しはするのだが、でもほかの色ほどではない気がする。
褪色したやうなところもあつて、実に風情がある。
すがれた感じとでもいはうか。
いいなあ、カーキブラック。
使ふ前は、ラヴェンダーブラックとセピアブラックとを使ひつづけるやうになるんぢやあるまいかと思つてゐた。
使つてみないとわからないものだねえ。
フォレストブラックも実にいい色だし。
それぞれに金ペンを用意するやうだらうかと思ひつつ、いまのやうに廉価なペンに入れてゐるので気兼ねなく使へていいのかもしれないとも思ふ。
古典インクはスチールペンで使ふとペン先がさびたりなんだりする、といふが。
もうしばらくはこのまま使ひつづけてみるか。
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