2月の読書メーター
2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:2106
ナイス数:23
こころの感想
「マウンティングの書」と話題になっていたので高校のとき以来の再読をしてみたが、全然覚えていないことに愕然としつつも大変おもしろく読めた。小説や物語を読むことの効用の一つに「自分ではない人間の気持ち・立場を理解することができること」があるという。おそらく「先生」が激しい衝撃を受けたであろう場面でそうと知りつつその衝撃を想像することができなかったことにちょっと落ち込んだ。高校のときの「Kには落ち度はなかったのか」という教師の問いが忘れられない。
読了日:02月07日 著者:夏目 漱石
ドッキリチャンネル (I) 森茉莉全集第6巻の感想
大好きというわりには三週に一度しか見ていないTV番組があったり結構見逃していたりするのがおもしろい。そして思い込みが激しいせいか「それは間違いなのでは」と思うこともある。なにもかも正確でないと気のすまない人には勧められないが、この魅力には如何とも抗しがたいものがある。誰か「この番組はこれ」とか「ここに書かれている映画はこの映画」とか注釈をつけて出版しなおしてくれないかなぁ。
読了日:02月10日 著者:森 茉莉
The Knowledge Illusion: The myth of individual thought and the power of collective wisdom (English Edition)の感想
人は誰しも自分が思っているよりものを知らないという。実際には自身で知識を保有しているのではなく、自分の所属する共同体や最近ではインターネットなどにある知識や情報を自分は保持していると思い込んでいる。最後に筆者の一人のこども二名の話が出てくる。片方は自分の知らないことを(わりと)わきまえている子、もう片方は自分が無知なことに気づいていない(と思われる)子。どちらがよりよいかというと、どちらもよいのだ、という。救われるようなそうでもないような。
読了日:02月15日 著者:Steven Sloman,Philip Fernbach
浄瑠璃を読もうの感想
江戸時代の作品について「現代的」であると書いてとき、橋本治は「でも明治以降の人間がそれを歪めてしまった」と云いたいのではないかと邪推してしまう。「江戸時代人は大人だ」と書いているときは「でも明治以降の人間はそうじゃないよね」と云っているのではないかと思う。おそらくは「浄瑠璃は古臭いものとされてしまったけれど実は全然そんなことはないのだ」と云いたいのではないか。
読了日:02月21日 著者:橋本 治
The Reading Mind: A Cognitive Approach to Understanding How the Mind Readsの感想
文章を読むとき、人はどのように内容を理解するのか。黙読するにしても単語の音が重要というのがまずおもしろい。ヨーロッパ各国の状況として、フィンランド・イタリア・スペインといった綴りと発音とがほぼ一定の言語の国ではフランスやイギリスに比べて小学一年生の段階では間違いなく音読できる子どもが多いが、小学四年生になるとその差がなくなるというのも興味深い。それにしても、書籍というものが手に入りにくかった時代・識字率の低かった時代はどうだったんだろうというのはこの手の本を読むといつも思うことではある。
読了日:02月27日 著者:Daniel T. Willingham
読書メーター
« 役に立たない得意技 | Main | 紳士は走らない »
« 役に立たない得意技 | Main | 紳士は走らない »
Comments