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Thursday, 22 February 2018

一年後のプラチナ古典インク

プラチナ萬年筆の古典インクが気に入つてゐる。

一年前のいまごろ、友人たちに「タミつて」もらつて、プラチナ萬年筆の古典インク六色を入手した。
同時期に買つたパイロットの KAKUNO のくまもんヴァージョンにシトラスブラックとラヴェンダーブラックとを入れた。

当時、シトラスブラックはインク好きのあひだではかなり話題になつてゐたやうに思ふ。
書いた直後はレモンのやうな色なのに、またたくまに色が変はつてカーキとでも呼びたいやうな色になる。
六色の中では一番色の変化が楽しめるインクだらう。
最初はそんなに好きなインクではなかつたが、使つてゐるうちに好きになつて、六色の中では一番使つてゐる色である。

ラヴェンダーブラックはぱつと見たところそれほど色が変はるやうには見受けられないが、いま一ヶ月前に書いたものを見るとかなり黒みの強くなつてゐる印象がある。
どちらかといふと赤系の紫で、青系ならもつと使ふのになと思つてゐる。

カシスブラックを使つてゐた時期もあるが、モンブランのバーガンディレッドと色味が似てゐるのでいまは使用してゐない。

カーキブラック、フォレストブラック、セピアブラックの三つはずつと手つかずでゐたが、今月、三つともペンに入れてみた。

シトラスブラック、カーキブラック、セピアブラックは、結局似たやうな色味になるのではないかと使ふ前は思つてゐたが、さうでもなかつた。
シトラスブラックはひとり孤高とでもいはうか、いつ見ても「あ、これはシトラスブラックで書いたな」といふのがわかる。
今後年を経て変化していくとどうなるかはわからないが、一年くらゐだと他との違ひは歴然としてゐる。

カーキブラックとセピアブラックとは、あまり明るくないところで見ると「そんなに変はらないよなあ」といふ感じだつた。
それがなんの気なしに二日後くらゐに見てみたところ、どちらでなにを書いたのわかるやうになつてゐた。

セピアブラックは書いた直後の変化に乏しいやうな気がしてゐたが、これも二日後に書いた文字の下にあらためて字を書くと、違ふ色のやうに見えた。
ペンとの相性かとも思ふのだが、書き始めのペン先にたまつてゐたインクで書くとかなり黒々とした印象で、書いていくうちにすこし色が淡くなる。キャップをしてしばらくして書くと、またすこし色が濃くなる。

カーキブラックは、いま手元にある日曜日に書いた文字を見ると、ちよつと淡いセピアといふやうな色合ひに見える。
セピアブラックと比べると赤みがあるやうに思ふ。
見せる前提で書いたものがないのでここに写真を載せられないのが残念だが、隣のページにセピアブラックで書いた文字とくらべると違いは一目瞭然だ。

フォレストブラックは、書いた直後はサップグリーンのやうな色で、紙によるのかもしれないがちよつと透明感を感じることもある。
一昨日書いたものを見てみると、透明感はすつかりなくなつて、黒みがかつた深緑といふ色になつてゐる。
思つてゐたよりも使ひやすい色味かもしれない。

こんな感じで、一年を経たいまも楽しすぎるプラチナ萬年筆の古典インクである。
パイロットの万年筆は、自社のさらさら流れるやうなインキを入れる前提で作られてゐるので他社のインキは向かないといふ話を聞いたが、シトラスブラックとラヴェンダーブラックとを入れたKAKUNO は一年たつたいまもなんら不都合なく使へてゐる。

フォレストブラックとセピアブラックとも最近発売されたくまもんヴァージョンのカクノに入れてゐる。

シトラスブラックはかなり使ふことがわかつたし、金ペンに入れて使ひたいなと思つてゐる。
問題は、シトラスブラックを入れたいやうな金ペンが手元にないことだ。

忍野? いやいやいや。

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