病中歓あり
インフルエンザにかかつてしまつた。
日中、どうにも悪寒がする。
冷えのぼせかもしれないと思ひつつ帰宅して熱をはかつたところ38.3度あつた。
翌朝はかると37.8度だつた。
いやな予感を抱へつつ医者に行くとインフルエンザA型だと診断された。
その場でイナビルといふ薬を処方されて吸引し、それで終はつてしまつた。
熱はその日のうちにほぼ下がり、寝る間際に37度をちよつと越えはしたものの、もらつたとんぷくは37.5度以上のときに飲むやうにと云はれたので、そのまま飲まずに過ごしてゐる。
今日はずつと36度前後なので、熱はさがつたやうだ。
インフルエンザにはかかつたことがない。
もしかしたらあるのかもしれないが、さう診断されたことはない。
何年かに一度38度を超すやうな熱を出すことがある。
でもとくにインフルエンザと云はれたことはないんだよなあ。
前回高熱を出したのは職場でのことだつた。
その日の朝、職場のある建物の一階にあるコンビニエンスストアで昼食を求めたとき「今日はおなかが空いてゐるからちよつと多めに買はう」と思つた。
ところがエレヴェータに乗つて自分の席についてみるとなんだかをかしい。
あれよあれよといふ間に具合が悪くなつて、いまからでは午前の診療時間には間に合はないと判断して午後一番で医者にいくと、40度近い熱があつた。
昼食にと買つたものはこのときはまつたく食べられず、持ち帰つて薬を飲む前に仕方なくすこし食べた。
このときもインフルエンザとは云はれなかつたし、処方された薬も多分インフルエンザの薬ではなかつたやうに思ふ。
高熱を出すのは、欲求不満のたまつたときだ。
おそらくさうなんではないかと思つてゐる。
欲求不満といはうか、睡眠不足の果てのことのやうに思ふ。
まあ、欲求不満ではあるか。睡眠不足といふことは眠りたいのに眠れてゐないといふことだものな。
そのせゐか、熱の下がつたあとに妙に爽快な気分になることもある。
今回はどうかなあ。
今回は、熱はあるのに頭はそんなにぼんやりしなかつた。
普段からぼんやりしてゐるから、といふ話もあるが、また同時に目も疲れてはゐない。
いつもだつたらPCやスマートフォンを見るのもイヤになるくらゐ目がやられてしまふのだが、今回はさうしたことがない。
なにしろ医者に行くにも岩波文庫から出たばかりの「文選」を持つて行つて読んだくらゐだ。
多分、傍から見たらどこもをかしくないやうに見えたのに違ひない。
常に元気のないやうすだから余計にさう見えたらう。
おかげで、休んでゐても退屈せずに済んでゐる。
図書館から借りてきて、貸出延長をしても読みきれないかと思つてゐた森茉莉の「ドッキリチャンネル」をせつせと読み、時折寝る。
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