カシミヤだとか麝香牛だとか
Seaweed Vest をせつせと編んでゐる。
「Brave New Knits」に掲載されてゐるヴェストだ。
裾からわきの下まで輪で編み、わきの減らし目から前後にわけて編むやうになつてゐる。
その輪編みの部分をまだ延々と編んでゐる。
模様は12段6目で、三回くらゐくり返したところでそれとなく模様が見えてきた気がする。
表目と裏目とだけで編む模様で、1目だけどの段も表目の目が自然と左右にうねるのがおもしろい。
灰色だから「海藻」といふ感じはしないが、おもしろい模様だと思つてゐる。
ところで寒い。
四国などでも雪の降る寒さだといふ。
四国といふと、あたたかいところといふ印象がある。
小学校の地理の時間に「香川県は温暖で雨が少なく、水不足にそなへてため池がある」とか「高知県は冬でもあたたかいので二毛作がさかん」とか習つたせゐに違ひない。
徳島県と愛媛県とは個別に学んだ記憶がないが、根拠もなく「あたたかいんだらう」と思つてゐた。
それが寒いのらしい。
寒くなると自分で編んだものを出してきて身につけてみる。
いやー、カシミヤに限りますな。
あと、麝香牛の毛。
我が家にあるものではこのふたつがダントツで暖かい。
なんでも麝香牛の毛は羊毛の八倍あたたかいといふ話だ。
どうやつて計測するのか知らないが、なるほど、身につけてみると羊毛の毛で編んだものの比ではない。
なにしろ麝香牛の毛で編んだものは編み地が薄い。なのにあたたかい。これはカシミヤも同様だ。
さうしたらさあ、あとはもうこれで編むしかないんぢやない?
さう思へてくる。
いまも、カシミヤで編んだストールを巻いた状態でこれを打つてゐる。
「助け人走る」を見ながらせつせと編んだ長いストールだ。
合太相当の糸でレース模様を編んでゐて、編み地は結構薄いしレース模様なので穴もあちこちにある。
しかしあたたかい。
編み地が薄くて済むといふことは、糸もそんなにたくさんは使はないといふことだ。
すなはち仕上がるものは軽くなる。
セーターなどを着て「重たくて肩が凝る」といふ話を聞くが、カシミヤで編めばまづそんなことはあるまい。
問題は、カシミヤの糸は高価でさうさう手に入れることもできない、といふことか。
などと考へつつ、羊毛を紡いだ毛糸でヴェストを編んでゐる。
カシミヤや麝香牛と比べるから悪いのであつて、羊毛だつてあたたかい。
それに編みやすい。
カシミヤや麝香牛の毛を紡いだものに比べて糸に弾力があるからだらう。
二月いつぱいは寒いのらしい。
そして三月は長期予報によると例年よりあたたかいといふ。
今月中に仕上がるかなあ。
仕上がらない気がするなあ。
それでも袖のないヴェストだから、まだ出番はあるかな、と思つてゐる。
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