忘れる技法
ノールビンドニングのベレー帽は減らし目段に入らんとしてゐるところだ。
結局、「はじめてのノールビンドニング」に指定のあるとほり、九段目までは目を増やし、十段目からは減らすことにした。
減らし目をするには編み地がもうすこし大きい方がいいのだが、整形すれば大きくなりさうだし、毛糸が足りなくなつても困るので減らすことにする。
といふわけで、まだ減らしてはゐない。
年内にはムリな気がするが、この冬のあひだにはできあがるだらう。
ところで、ノールビンドニングに向いてゐるとおぼしき毛糸をもらつたので、早速試してみやうと思つたらこはいかに。
作り目の仕方を忘れてしまつてゐるではないか。
なんといふことだ。
あれだけ何度も何度も作り目ばかり作つてゐて、本を見なくても目を作れるやうになつてゐたといふのに。
ちよつとやらないだけでこれだからなあ。
年を取つてから覚えたことつてかうなのかもしれない。
棒針編みの場合、指にかけて作る作り目は忘れない。
どれだけブランクがあいても作り目だけは作れる。
Twisted German Cast-on だと、時間があくとちよつと戸惑ふこともある。
ゴム編みの作り目は大丈夫だな。ゴム編みの作り目はくつ下を編んでゐたころかなり作つたからかもしれない。
伏せ目も普通の伏せ目は、まあ普通に編むのとそんなに変はらないこともあつてか忘れることはない。
ゴム編みの伏せ目も、一目ゴム編みは大丈夫。二目ゴム編みはときどきちよつとアヤシいことがある。
考へてみるとくつ下を編むといふのは作り目や伏せ目の技法を体得するといふ意味ではとてもいいんだな。
ノールビンドニングの作り目は、それでも本を見ればすぐ思ひ出すので、まだましかもしれない。
最初からいきなりベレー帽などといふ大きいものを作らずに、さつさと作り目をして完成させられるものを作るんだつたな。
さうしたら作り目の方法も忘れることもなかつたらう。
ノールビンドニングははとても楽しい。
やつてゐると脳内麻薬が出るタイプの手芸だと思ふ。
ただ、糸をつなぐのが手間なんだよなあ。
もつと手早くかんたんに糸をつなぐことができればいいんだが。
糸をつなぐのが大変だから輪に編むときに段ごとに糸を変へ、追ひかけるやうに編む方法があるのだらう。
本では二色で編むことになつてゐるが、一色でこれをやつてみるかなあと思つてゐる。
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