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Wednesday, 13 December 2017

先達不在につき

宿でTVをつけてゐたら、ザ・フーの「ピンボールの魔術師」が流れてきた。

ザ・フーかー。
こどものころ通らなかつた道なんだよなあ。

先達がゐないといふのはかういふことかとも思ふ。

一番最初にみづから聞きはじめたのはザ・ビートルズだつた。
……「ザ・フー」だから「ザ・ビートルズ」と書いてみたものの、なんだか違和感があるな。「ザ・」は取るか。

当時はFMラジオでビートルズを流す番組をできるかぎり聞いて、ローリング・ストーンズとかも聞くやうになつた。洋楽ベスト100みたやうな番組を聞いてゐると、サイモン&ガーファンクルなんかもひつかかつてくる。ビーチボーイズとかね。

そこからレッド・ツェペリンとかディープ・パーブルとかも聞いたし、クイーンも聞いた。エマーソン、レイク&パーマーとか。懐かしい。

なぜビートルズを聞き始めたのかといふと、当時ちよつと気の利いた同級生は聞いてゐたからだと思ふ。
たいていはお兄さんやお姉さんのゐる子で、本人も兄弟も成績のいい子が多かつたやうに思ふ。
さういふ子は兄・姉が聞くから自然と聞くやうになるやうだつた。
兄・姉のゐる人に負けてたまるか。
So it goes.

さういふ相手ととくに仲のいいわけでもなく、音楽の話をするでもなく、とにかくまつたく未知の世界に道しるべもなく踏み出した。
それで出会へた曲もあるし、さうでない曲もある。
ザ・フーは後者だつた。
イエスもだいぶあとだつた。「(Owner of) The Lonley Heart」で知つたんぢやなかつたらうか。

先達のゐる人はかうはならないのぢやあるまいか。
ちやんと「次はこれを聞くといいよ」とか、助言がもらへたりするのぢやないか。
それで、妙な抜けなどはなかつたりするんぢやないのかなあ。

と思ふのは、先達のゐないものの羨望の念のなせる技なのか。

まあでもおかげで serendipity と呼んでもいいやうな出会ひもあつたのだと思ふ。
洋楽ベスト100のやうな番組を聞いてゐると、アバなんかも聞くしね。
ホリーズ、レターメン、ブラザーズ・フォー、ピーター、ポール&マリー、ジャニス・ジョプリン……

どちらかといふと時代をさかのぼつてしまつたので、ポール・アンカやニール・セダカといつた50年代60年代の歌手の歌や、もつと前のビッグバンドなども聞いたりしてゐた。
ベニー・グッドマンとかグレン・ミラーとかね。デューク・エリントン、カウント・ベイシー。
ルイ・アームストロングも聞いたなあ。
でも、チャーリー・パーカーとかジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクを聞くやうになつたのはもつと後のことだ。
このあたりが自分の限界だつたのかもしれない。
あるいは当時はまだ出会ふべき時ではなかつたといふだけのことかもしれない。

ほかの人はどうやつて音楽に出会ふのだらう。
親・兄弟が聞いてゐるから。
ともだちが好きだといふから。
TVなどでたまたま流れてゐたから。
そんな感じなのかな。

さういや、三原順のまんがに出てくる歌は追ひかけたものだつた。
ELPもそのひとつだし、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルとか、ビージーズもあつたな、あれは「ルーとソロモン」だつた気がする。

さういふのも serendipity だつたのだらうか。
少なくとも、三原順がある種「先達」であつたことは間違ひない。

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