こんなことをしてゐる暇に書けばいい
年賀状は一枚も書けてゐない。
はがきは買つてある。
誰に出すかといふ選別からしなければならない。
この年末年始の休みをどう過ごすかは、だいたい決めた。
その中に年賀状に関する記述が一切ない。
いいのか、そんなことで。
例年、休みに入る前に土日のほかにもう一日休みがあつて、その休みに年賀状を書くやうにしてゐたのがいけないんだらうな。
今年は天皇誕生日が土曜日で、休みは土日しかなかつた。
いつもの「もう一日」がなかつた。
それで書く機会を逸してしまつたのだ。
暦のせゐにするのはどうよ、とも思ふが、十二月と一月とは観劇三昧で忙しい。
毎年十二月になると「もつと芝居見物の回数を減らさう」と思ふのだが、どうにもままならぬ。
敢へて減らさなくてもそのうち否が応でも減らさねばならぬときがくるのだがら、それまでは、といふ気もしてしまふ。
云ひ訳ならいくらも出てくるんだがな。
そんなことをやつてゐるうちに書けばいいのだが、書けない。
なぜ書けないのかといふと、書きたくないんだな。
年賀状を書くには人生は短すぎる。
いつそもう書くのはよさうと毎年思ふ。
やめられないのは芝居見物とおなじである。
芝居見物の方は「喉元すぎれば熱さを忘る」的なアレだが、年賀状の方は浮き世の義理的なアレだ。
なにかないだらうか。
年賀状を書かなくて済むやうな理由が。
それを探すくらゐなら書いた方が早い気はするのだが、さて。
« さえんなぁ | Main | 今年見た芝居から 2017 »
Comments