価値がないのはどつちだ
ちかごろ、近所のスーパーマーケットではいつ行つてもハーゲンダッツのアイスクリームを安売りしてゐる。
以前は、ちやんと安売りの期間があつた。
それが、最近はいつでも安売りをしてゐる。
安くしないと売れないのだらうか。
たぶんさうなのだらう。
安くしないと売れないといふことは、その商品に定価分の価値がないといふことだ。
理屈ではさうなのだが、ではハーゲンダッツのアイスクリームに定価分の価値がないのかといふと、そんなことはないと思ふ。
だつておいしいし。
それは「ハーゲンダッツのアイスクリームだからおいしい」といふ思ひ込みなのかもしれないけれど、でもおいしいと感じるのはほんたうのことだ。
安くしないと売れないといふことは、買ふ側にものの価値がわかつてゐない、といふことなのではあるまいか。
本来この値段でしかるべき品質の商品なのに、その値段では売れない。
買ふ側に見る目がないからだ。
買ふ側に定価分の価値がない。
買ふ側は本来ハーゲンダッツのアイスクリームにふさはしくないのだ。
すなはち、分不相応である。
無論、定価にふさはしくない商品といふのもないわけぢやない。
でも、今後「定価だつたら買はないな」と思ふものと出会つたら考へることにしたい。
定価にふさはしくないのは商品か。
あるいは自分か。
そんな余裕はないかな。
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