名前にふりがなつけますか
先日、とあるイヴェントのチケットを購入したとき、氏名と連絡先の記入を求められた。
なにかあつてイヴェントが中止になる等の事態が起きたときのためなのださうな。
ほかにもその場でチケットを買つてゐる人々がゐて、みな渡された付箋に氏名と連絡先とを書いてゐた。
ちらつと見ると、誰も氏名のところにふりがなをつけてゐる人がゐない。
さういふものなのかな、とそのとき思つた。
やつがれの書いた付箋には漢字表記の氏名のわきにカタカナでふりがながついてゐた。
たいていの場合氏名を記入するときはふりがなをもつけるやうにしてゐる。ふりがなを書くやう指定がないときも、だ。
ま、忘れることもあるけれども。
なぜかといふと、読み間違へられることが多いからだ。
名前を読み間違へられることは、普通にあることだと思つてゐる。
たとへば「淑子」だ。
「としこ」だつたり「よしこ」だつたりするでせう。
あるいは「淳」。
「あつし」だつたり「じゆん」だつたりするはずだ。
ほかにも読みが複数ある名前といふのはいくらもある。
さういふ人はやはり氏名の記入を求められたときにふりがなをつける習慣が身についてゐるのぢやあるまいか。
選挙に立候補する人が名前をひらがなにするのもさういふことなのだらうと思つてゐる。
書き間違へをふせぐためが第一義だらうが、ひらがなにすれば名前の読みを覚えてもらへる。
政治家および政治家-to-beにとつて名前を覚えてもらふことほど重要なことはあるまい。
さういへば野沢那智が云つてたなあ。「パックインミュージック」のときだつたらうか。
クラス替へなどあつたあとなど最初の出席を取られるときにちやんと名前を呼んでもらへたことがない。
ところがあるとき、はじめて先生が「のざわ……これは、やすとも、くん、かな」と云ってくれた。
「そうです! やすともです!」と答へた、とても嬉しかつた、といふ話だつた。
ちやんと名前を読んでもらへると嬉しいものなのだなあ。
昨今はいはゆるキラキラネームの人が増えてゐるといふけれど、さういふ名前の人もきつとさうなんだらう。
キラキラネームでなくても読み間違へは発生する。
氏名の記入を求められたらふりがなをつけるのはいいことだ。
政治家になるならないに関はらず、な。
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