消費なのか投資なのか
パイロットの万年筆カクノに透明軸が増えた。同時にEF(極細)のペン先も増えた。
カクノははじめて発売されたときに、灰色軸のキャップが青のF(細字)のペンと黄緑のM(中字)のペンとを買つた。
その後白い軸が発売されて、キャップが淡い桃色のFを買つた。
くまもんとコラボレーションしたペン二種類はどちらもFを買つた。
その後、LAMYのペトロールを入れたくて、軸もキャップも灰色のペンを買つた。
透明軸もEFを購入してゐる。
おなじものをいくつも持たなくてもいいぢやあないか。
さういふ意見もあらう。
万年筆といふことでいへばカクノ以外にも何本も持つてゐるわけだし、ことさらに新しいペンなど必要ない。
最初に灰色軸のカクノが発売されたときにFとMと二本買つた、といふのがすべてのはじまりだつたのではないか。
おそらくおなじやうに複数本買つた人がたくさんゐたのぢやあるまいか。
企業はたぶんに手応へを感じて、次にもうちよつと可愛らしい感じのペンを市場に投入する。
最初からこの色を出してくれたらなあ、と思ひつつ、やはり一本買ふ。
白い軸にパステルカラーのキャップを見て、灰色ぢやちよつとねと買ひ控えてゐた人も買つたことだらう。
すでに買つた人も買つたかもしれない。
次は透明軸だな、と、企業は思つただらう。
個人の購買力がどれくらゐ影響をおよぼすのか、わからない。
わからないけれども、カクノの新作が発売されるのは売れ行きがいいからだらう。
商品購入は投資のひとつの形、といふかさ。
いまの状態ではフローがないと経済は成り立たない。
財布の紐をしめてかかるのなら、なにかほかに経済を成立させる手段が必要だ。
あるいはフローが少なくても(場合によつてはなくても)成り立つやうな経済が必要になつてくるのぢやあるまいか。
なんてなことは少子高齢化が危惧されはじめたころから専門家がいろいろ考へてゐることだらうとは思ふ。
思ふけど、だとしたら現在の状態はあまりにも無策なのではあるまいか。
とりあへず、やつがれには流通させて経済活動の足しにできるやうな阿堵物はない。
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