マルチタスクは脳に損傷を与へるか
人間は本来シングルタスクなもので、マルチタスクには向いてゐない、といふ。
マルチタスクをすることで脳にダメージを与へるといふ研究結果もあると聞く。
さうなのかなあ。
だとしたら、世の家事をする人はみな脳にダメージを与へてゐるのだらうか。
家事と大きく出てしまつたが、料理ひとつとつてもマルチタスクだ。
お湯を沸かしてゐるあひだに材料を切つて、おかずを作つてゐるあひだにご飯を炊き、蒸らしてゐるあひだに二品めのおかずを用意する。ちよつと手が空いたら皿などを洗ふ。
これをシングルタスクでこなしてゐたら、夕食の準備だけでどのくらゐの時間がかかるかしれない。
シングルタスクでやつてゐたらごはんかおかずか先にできた方は冷えてしまふ。
確かに、慣れないうちはかうして食事の支度をすることはひどく疲れる。
慣れても弱つてゐるときにはムリだと思ふこともある。
でもさうも云つてゐられないんだよなあ。
かうして日々脳にダメージを与へつつ生きてゐるのだらうか。
マインドフルネスにしてもさうで、食事の支度をするときにひとつのことに集中してはゐられない。
「食事の支度をする」といふことに集中はできるかもしれないが、その中の作業は多岐にわたる。
場合によつては食事の支度をしつつお風呂をわかしたり洗濯をしたりすることもあらう。
もしかして、「マルチタスク」や「マインドフルネス」を誤解してゐるのだらうか。
そんな気もする。
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