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Thursday, 06 April 2017

飯田市川本喜八郎人形美術館 項羽と劉邦展 その二

週末、飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
今年は開館十周年といふことでさまざまなイヴェントや展示が催される。
四月二十三日までは「項羽と劉邦」展が開催されてゐる。

前回は入口を入ると真正面にゐる項羽と左手にある解説パネルについて書いた。
今回は展示室であるスタジオの左側にあるケースについて書く。

スタジオを入つて左側の壁沿ひにケースが三つ並んでゐる。
手前から虞美人、劉邦、呂后がゐる。

虞美人は実に可憐だ。
踊つてゐるところなのだらうか。
左を向いた顔はやや仰向けで遠くを臨んでゐるやうに見える。
両腕を右に流してゐるので躰にひねりがあり、しづかな中にも動きがある。
踊りといふよりは舞なのかな。
水色で紗綾型の地模様の衣装は、ところどころに花をあしらつたもの。
襟などにはさまざまな蝶を散らした生地を使用してゐる。わりとリアルな蝶もゐるので、苦手な向きは気をつけた方がいい。
髪の結ひ方がどことなく元禄時代の女の人の髷に似たところがある。呂后の髪型もさう。
虞美人この可憐さはどこからくるのだらう。
花びらのやうな唇か知らん。

劉邦は思慮深げに見える。
劉邦が思慮深い?
劉邦といつたらまづキレて、張良とか陳平とかに足を踏まれたりしてとどまつて、献策をとり入れる、みたやうなキャラだと思つてゐる。
川本喜八郎にはなにかモデルとした作品があるんだらう。知りたいねぇ。
劉邦が思慮深げに見えるのは、ややうつむいてゐて腕を組んでゐるから、といふのもあるけれど、カシラから受ける印象が大きいと思ふ。
おだやかさうで目とか鼻とか顔の部品が比較的大きい。
イメージカラーはオレンジ。
項羽は白かなあ。衣装の色では赤と青も印象深い。赤といつても冷たい感じの赤だ。
劉邦はおだやかさうでゐてあたたかい橙色なので、やさしげな度量の大きい人物に見える。
項羽もさうだけれども、劉邦もカシラだけなにかの人形とすげかへて三国志に出てきたらちよつと違和感を覚えるだらう。
非常に個性的で、「項羽と劉邦」の世界を代表するカシラなんだらうと思ふ。

呂后は妖しい。
一目見て「蜘蛛女」と思つた。
下から見上げるやうな流し目の視線の先にはなにがあるんだらう。
すこしねぢつた躰の線がまた妖しい。
口元に浮かんだ笑みもなまめかしい。
悪女といひ、毒婦といふ。
さういふ人はやつぱり妖しく美しくないとね、といふことなのだらう。
部屋の一番奥の隅にゐる、といふのもいい。
衣装は黒地に唐草の地模様で、蠢く触手のやうにも見える。
その黒い衣装の裾からのぞくプリーツスカートは紫色の江戸更紗のやうな感じの生地だ。
呂后には「黒い肝つ玉母さん」のやうなイメージを抱いてゐたが、そのイメージもがらりと変はつてしまつた。
いやー、いいわ、呂后。

以下、つづく。

「項羽と劉邦」展その一はこちら

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