3月の読書メーター
3月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1680ナイス数:46Living with a Dead Language: My Romance with Latinの感想出版会社で編集をしてゐた著者は退職するにあたつてラテン語の勉強をはじめる。こどもが巣立つた後アルコール依存症になつて死んだ母のやうにはなりたくないし、もともとことばには興味があつたからといふのが理由だ。大学のラテン語の講義を聴講するところからはじまつて著者がラテン語を習得していく様を読んでいくわけだが、これが存外面白い。本好きで業界の人といふと文学的な読みづらい文章を書く人が多いが、この本は別。とても読みやすい。古典の研究者とSFファンとは似たところがあるといふ説も興味深い。読了日:03月07日 著者:Ann Patty
C. Auguste Dupin The Trilogy/ The Murders In The Rue Morgue/ The Mystery Of Marie Roget/ The Purloined Letter (English Edition)の感想何十年ぶりかに読んで「こんなにせりふだらけだつたつけか」と思ふなど。「盗まれた手紙」は「マリー・ロジェの謎」でしでかしたことを回収しようとしたのかな、といふ気もする。読了日:03月11日 著者:Edgar Allan Poe
深川安楽亭 (新潮文庫)の感想短篇集。大まかにわけると師と弟子もの(理解者もの)、生まれつきだから仕方ないもの、笑ひ話、といつたところか。説教臭さが苦手だつたが、「四人囃し」や「あすなろう」、「深川安楽亭」を読むと、「生まれつきだもの」と開きなほれる気もする。映画では壊滅状態になつてしまふが、原作ではちやんと深川安楽亭は安泰だ。ああいふ場所はなくてはならない。いま現実にどこにあるのかわからないけれど。読了日:03月16日 著者:山本 周五郎
ほんもの: 白洲次郎のことなど (新潮文庫)の感想Obituaries といつたところか。知人の死後、とくに直後にその人のことを書くのはむつかしいなあ。著者が國學院の教授から素読を習ふくだりで「源氏物語」の冒頭を「いずれのおほん時にか」と書いてゐて、やはり國學院の人は「御時」は「おほんとき」と読むのだなあと思うたりした。「あたくし」といふ一人称は一度は使うてみたいものである。読了日:03月17日 著者:白洲 正子
ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで (文春文庫)の感想比較はむづかしいんだなあ。吉右衛門の「鬼平」と前三作との違ひが述べられてゐるところを読むと、書かれてゐないのに「だから吉右衛門の「鬼平」の方が優れてゐる」と書いてあるやうに読めてしまふ。僻目なのかな。吉右衛門の「鬼平」が他の三作と違ふ点として平蔵と久栄との衣装がそれとなくお揃ひになつてゐるやうに見受けられる点があつたのだが、それについての言及はなかつた。単に自分の妄想だつたのかもしれないし、わからないことはわからないままでいいのかもしれない。読了日:03月21日 著者:春日 太一
虎の夜食の感想全部フィクションなのか! 読んだといふよりは一通り目を通したといつた状態。これからじつくり読む。読了日:03月25日 著者:中村 安伸
人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)の感想自己中心的であると云はれ続けてきて、この本を読んで「さういふことだつたのか」と腑に落ちること一度ならず。でも横入りされたらやつぱり不機嫌になるんだらうなあ。読了日:03月28日 著者:千野 帽子
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