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Wednesday, 19 April 2017

飯田市川本喜八郎人形美術館 2017 玄徳の周辺 その二

三月から四月にかけて飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
二月末に展示替へがあつて、それを見てきた。

まだ公式ページの展示内容が新しいものに切り替はつてゐないので、展示内容がわかり次第、正しい主題に改修するつもりでゐる。

前回はメインケースの「玄徳の王国」について途中まで書いた。
今回はつづきから書く。

ケース中央前方やや右寄りに趙雲がゐる。
趙雲と孫乾とは対で展示されることがある。
以前、おなじケースでやはりケース中央前方に趙雲と孫乾とがひざまづいてかしこまつてゐた。
関羽と張飛とが対になり、あとから仲間になつたといふことで黄忠と馬超とが対になると、趙雲だけひとりになつてしまふ。
そこで孫乾、といふことなのだらう。
なんとなく衣装の趣も似てゐるし。
趙雲は人形劇では「永遠のさはやか好青年」であつた。
飯田で見ると、ときにひどくきつい表情をしてゐるやうに思へることがある。
かういふのがおもしろい。

趙雲の右隣に関平がゐる。
抜く手は見せぬぞ、とばかりに右手を剣の柄にかけてゐる。
関平つて、かういふ感じかなあ。
もうちよつと穏やかなイメージなんだけど。
人によつて抱く印象が違ふといふことだらう。
ここが「それぞれの人形らしい展示」のむつかしいところか。

趙雲と関平との間くらゐの後方に美芳がゐる。
美芳もいつ見ても可愛い。
淑玲のときも書いたけれど、こんなに可愛かつたか、とあらためて思ふ。
人形劇だと美芳はちよつとおかめのやうな扱ひのところがあつた。
さういふ感じはないけれど、この美芳はいいな。
関平との違ひはなにかといふと、美芳の方は neutral な感じがすることだ。
見る側が如何様にも受け取ることができる。
美芳にしてはおとなしやかに展示されてゐるけれど、「ほんとはもつとお転婆なんでせう」とか「実際はもつとしつかりものよね」とか想像の余地がある。
それに、可愛いものを可愛く見せてもらへると嬉しい。

ケースの右端前方には馬上の張飛がゐる。
玄徳の馬は白竜、関羽の馬は赤兎と名前がついてゐるのに、張飛の馬だけは「張飛の馬」だ。
張飛の馬はいつ見ても強面だ。
目がちよつと据はつた感じなんだな。
さういふ馬を乗りこなす張飛、といふことなんだらう。
張飛の衣装の背中の裾はたたまれてゐる。
これは張飛らしい気がする。

ケース右端後方には黄忠が立つてゐる。
片手をあげてゐて、得物は手にはしてゐない。
これまで飯田で見る黄忠は考へ深げな老紳士といふ感じで、人形劇で見た荒ぶる老将といつたおもかげはあまりなかつた。
もともとの人形のカシラがさういふ作りなんだらう。
今回はいつもに比べてちよつと元気さうだ。
人形劇の黄忠らしい。

メインケースの前にはちいさなケースが二つある。
入口に近いケースに孔明、奥のケースに龐統がゐる。

これまで飯田で見る孔明は、その目が実に独特だつた。
ちやんと潤つてゐる感じがした。
それが今回はない。
いままではちよつとした顔の角度や照明の加減でさう見えてゐたのだらう。
人間の目のやうに水をたたへてゐるやうだつたので、ほんたうに生きてゐるやうに見えゐたのかもしれない。
三月二十五日に開館十周年のイヴェントとして、孔明と一緒に写真が撮れるといふ催しがあつたといふ。
それでお疲れなのかもしれない。
この孔明と一緒に写真が撮れたのかどうかは定かではないけれど。
今回、諸葛瑾の目にさうした水をたたへた感じがある気がして、「ああ、こんなところが似てゐるんだなあ」と思つた。
人形劇で見てゐたときは似てない兄弟だな、と思つてゐたのにね。

龐統は猫じやらしをくはへて立つてゐる。
飄然とした趣があつて、如何にも龐統らしい。
ケースの中央ではなく若干脇に寄つてゐるやうに見えるところもいい。
龐統も孔明もメインケースの中にゐたらいいのにな、と思はないでもない。
前回も一番隅のケースにふたりで立つてゐたしね。
その前のときにメインケースの中央前方で、孔明は淑玲から、龐統は美芳から話しかけられてゐるやうな展示があつたから、それで敢へてはづしたのだらうか。
人形劇の龐統はどこか可愛らしい趣もあつて、さういふ感じも出てゐるやうに思つた。

以下、つづく。

「項羽と劉邦」展その一はこちら
「項羽と劉邦」展その二はこちら
「項羽と劉邦」展その三はこちら
エントランスから宮中の抗争まではこちら
連環の計はこちら
玄徳の周辺 その一はこちら

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