見せない手帳
結局、Moleskine に戻つてきてしまつた。
いはゆるユビキタス・キャプチャーやライフログの「なんでも書きとめやう」は案外むづかしい。
「こんなこと、わざわざ書かなくてもいいよな」とつひ思つてしまふ。
そして書きとめた方がよかつたことも書きとめずに過ごしてしまふ。
この障壁をのりこえるために、「とにかく頭に浮かんだことは書きとめる」といふのがユビキタス・キャプチャー(と、ここでは呼ぶ)の第一歩だ。
「こんなこと、わざわざ書かなくてもいいよな」といふことも書く。
これは、正しいと思つてゐる。
自分は結構書く方だと思つてゐるが、それでも「これは書かなくていいよな」と思ふことが多い。
そしてあとで悔やむ。
「ああ、あのときあれを書きとめておけばよかつた」と。
ユビキタス・キャプチャーをはじめる際には、とにかく頭に思ひうかんだことは全部書く。
なにも手書きである必要はない。
スマートフォンがあるのなら、写真や動画を撮つてもいいし、音声メモを残す手もある。
あるていど「頭に思ひ浮かんだことはとにかく書く」を実践して書いたことを見返すうちに、ある時期から「これは書かなくていいよな」といふのがわかつてくる。
つづけていくうちに、書かなくていいことも見えてくる。
つまり、つづけないと見えてこないといふことだ。
なにがムダでなにがムダでないのかといふのは人によつて違ふ。
おそらく、十中八九、やつがれの思ふ「どーでもいいこと」はムダなことだ。
書かなくてもいいことだ。
書く時間がもつたいない。
さうしたことどもである。
でも書きたいし、書かずにはゐられない。
そして、Bullet Journal はかうしたムダなことを記述するのにはいまひとつ向かない framework なのだつた。
むくやうに工夫すればいいのかもしれないけれど、手元に Moleskine がある現状ではしなくてもいいかな、とも思ふ。
二冊持ち歩かねばならないが、一ヶ月前まではさうしてゐたのでとくに苦にはならない。
プラチナ萬年筆から古典インクが発売されて、Moleskine でも万年筆を使へるし、ちよつと楽しくなりさうだな。
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