使へない理由
二年前、美篶堂のハードカヴァーノートを注文して、受け取つたのちそのままになつてゐた、といふ話を昨日書いた。
使へないでせう。
注文して作つたノートだよ。
しかも紙はバンクペーパー。
さらに今後は注文できないときてゐる。
もつたいなくて使へない。
だつたらなんのために作つたんだ、といふ話もあらう。
注文したときは考へてゐないのだ。
毛糸にしてもさうなのだが、廃番になつてしまつたものや高価なものを安値で買つたもの、旅先で見つけて買つたものなどはなかなか使へずにゐる。
もつたいないからだ。
もう決して手に入ることはない。
さう思ふと使へない。
しかし、考へてみるとさうした「もつたいなくて使へない」毛糸は買ふ時点で使ひ道を考へてゐなかつたものが多い。
…………と書いてみて、さうでもないなあといふことに気がつく。
使ひ道を考へてはゐた。
考へてはゐたけれど、「ショールを編まう」だとか「くつ下にしやう」だとか、ぼんやりとしか決めてゐなくて、具体的に「これを編む!」といふのはない、のかもしれない。
あるいは大作すぎてなかなか編みはじめられないといふのもある。
いづれにしても、無計画なのだ。
無計画にものを買つてはいけない。
いまさらだが身にしみてさう思ふ。
無計画に加へて、「自分が編んでも(書いても)」といふ躊躇もある。
だつたらなぜ買つた、とも思ふわけだが、買ふときにはそんなことは考へてもみないんだよな。
無計画かつ分不相応。
さういふ買ひものはいけない、といふことだ。
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