Keep Learning 考
Keep learning.
「人間、一生勉強だよね」といふ話で、ちよつと違ふのは、「人間、一生勉強だよね」といふときの「勉強」は「生きていくうちに人生といふか毎日のくらしからなにがしか学び取る」といふやうな意味でも使ふのに対し、「Keep learning」の方は語学なら語学、科学なら科学(大ざつぱですまぬ)となにかしら対象を決めて学ぶ、といふことだ。
Keep learning といふと、とても前向きで正しい意味での「意識高い系」の人のもののやうに思はれる。
自分に自信がある人のためのことばだよね。
いまの自分が学べばさらにすばらしくなる。
向上心にあふれた人の考へさうなことだ。
さう考へると、自分は keep learning なんかしてもムダだな、といふ気がしてくる。
学んだつてたいした知識はつかないし。
技能はもつとムリだらう。
学ぶ時間に不足してゐる睡眠を取つた方がよほど有意義だ。
祖母は一種の「Keep learning」を実行してゐた。
ボケ防止だと本人は云つてゐた。
絵を描いたり、ニュースなどで知らない地名がでてくると地図で確認したり、毎日日記をつけたり。
Keep learning にはさういふ側面もある。
すなはちボケ防止だ。
書店の店頭には来月からはじまる新年度のNHK講座のテキストがならんでゐる。
学んでもムダ、と思ひつつ、「NHKラジオ 高校生からはじめる「現代英語」」を聞いてみやうと思ひ、テキストを購入した。
ムダだけど。
でもボケたら困るし。
老いれば誰しもボケるのだらう。
それを阻止することはできまい。
でもまあ、できる範囲で最小限にくひ止めることができるのなら、それはムダとばかりもいへないのではあるまいか。
と、屁理屈をこねつつ、新年度を迎へる。
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